研究課題
基盤研究(C)
本研究では、カンモンシロアリの防除体系を構築する上で重要な、本種の生態的特性を明らかにした。特に、(1)様々な環境における加害生態、(2)種内及び種間相互作用、(3)水運搬能力及びその生理学的機構の解明に焦点をあて、ヤマトシロアリ・イエシロアリの生態と比較した研究を行った。1)様々な環境における加害生態本種の摂食量は、職蟻個体数の増加に比例し直線的に増加し、30℃恒温条件下で最大となった。また本種は、兵蟻割合が高くなった場合も、摂食量は減少しなかった。これらの結果はヤマトシロアリと似ていた。また、野外では、ヤマトシロアリと同所的に生息する場合には、ヤマトシロアリがあまり利用しない乾燥した硬い木材を加害する傾向にあり、屋内被害も、イエシロアリと同様に乾燥した屋根部分にも及んでいた。同時に、本種が、ヤマトシロアリでは見られない生木を加害することも確認された。2)種内及び種間相互作用同所的生息しているカンモンシロアリとヤマトシロアリ両種の分布パターンの相違を2種の同巣認識能力として、栄養交換と攻撃行動という観点から調べた。その結果、同種異コロニーに対しては、ヤマトシロアリは攻撃行動を示さず栄養交換も行なったが、カンモンシロアリは栄養交換を行なわず強い攻撃行動を示した。従ってヤマトシロアリはコロニー融合をするが、カンモンシロアリはコロニー融合を行なわないと考えられる。これらの同巣認識行動の相違が、分布域の違いの要因になっていると考えられる。3)水運搬能力及びその生理学的機構の解明シロアリの水利用能力を調べるため、水透過タンパクアクアポリン(AQP)遺伝子の配列決定とその発現部位の特定を行った。その結果、イエシロアリの消化管にはC末端コード領域以降の塩基配列が異なるAQP mRNAが少なくとも2種類存在し、配列既知の昆虫AQPと57-63%と高い相同性を有することが推察された。
すべて 2006 2005 2004
すべて 雑誌論文 (19件) 図書 (1件)
家屋害虫 28(1)
ページ: 29-35
木材保存 32(5)
ページ: 190-195
Proceedings of International Symposium on Forest Ecology, Hydrometeorology and Forest Ecosystem Rehabilitation in Sarawak
ページ: 20-26
ページ: 138-141
ページ: 194-198
House and Household Insect Pests 28(1)
Wood Sciences 32(5)
Proc. 6th Int. Wood Sci. Symp.
ページ: 35
ページ: 36
Sociobiology 45巻3号
ページ: 671-678
しろあり 140号
ページ: 34-37
Sociobiology 45(3)
Shiroari (140)
Proc.6th Int.Wood Sci.Symp.
Mol. Phylogenet. Evol. 31
ページ: 701-710
Mol.Phylogenet.Evol. 31