研究課題/領域番号 |
16580046
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江崎 文一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (90243500)
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研究分担者 |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)
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キーワード | aluminum(Al)stress / gene response mechanism / Al stress induced gene / transcription factor / glutathione S-transferase (GST) / oxidative stress / signal transduction / Arabidopsis thaliana |
研究概要 |
1)他のストレスに対する両pAtGST::GUS株の発現応答は? 【目的・方法】AtGST1,AtGST11両遺伝子は他のストレスに対しても誘導性を示すことが知られている。他のストレスでの発現パターンを検討し、ストレス応答性における共通性と相違性に付いてGUS活性を蛍光測定で検討した。 【結果】両遺伝子は、高温ストレス、低温ストレス、酸化ストレスに対して共に応答したが、塩ストレス、金属ストレスに対しては全般的に応答を示さなかった。例外的にAtGST11遺伝子のみが、Cuストレスに対して応答性を示した。 2)シグナル伝達系にCaイオンは関係するか? 【目的・方法】予備実験では根のAl処理により葉で両AtGST遺伝子発現が起こることが明らかとなっており、さらにこの伝達にCaイオンが関連するのかを検討した。Al処理をCa無添加とCa添加の2つの条件下で行い、両者でAtGST11遺伝子の発現誘導に差が生じるかで関連を検討する。 【結果】Caイオンが培地中に存在すると葉でのAtGST11遺伝子の発現誘導がむしろ抑えられた。Caイオンの存在自体は、AtGST11遺伝子の発現には影響しないことから、CaイオンがAl処理の毒性効果を抑え、地上部への毒性由来のシグナル伝達も抑えた可能性が示唆された。 3)葉での発現応答に関与する因子は存在するのか? 【日的・方法】Alストレス発現応答に関与する因子等の存在を確認することで、シグナル伝達機構の一端を明らかにしていく。ゲルシフトアッセイで核蛋白質のプロモーターDNAへの結合の有無を確認した。 【結果】AtGST11遺伝子のプロモーター領域には、発現応答に関与する因子と思われる核由来の蛋白質因子の結合域が存在するようだが、未だ再現性に乏しい。このような因子をコードするcDNAを単離し、この因子産物を用いてゲルシフトアッセイすることが望ましい。
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