研究課題/領域番号 |
16580046
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江崎 文一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (90243500)
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研究分担者 |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (60033122)
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キーワード | aluminum (Al) stress / gene response mechanism / Al stress induced gene / transcription factor / glutathione S-transferase / oxidative stress / signal transduction / Arabidopsis thaliana |
研究概要 |
1)AtGST11遺伝子の発現転写調節因子の単離のためのcDNAライブラリーの構築 【目的・方法】Al誘導性のAtGST11遺伝子の転写調節因子の単離のため、Al処理した植物体由来のmRNA画分を用いてcDNAを調製し、さらにベクターとなるphage DNAに連結させてcDNAライブラリーを構築した。 【結果】当初予想していた以上にこの部分に時間が掛かったが、cDNAライブラリーは完成した。ライブラリー規模の確認の結果、1.5X10^6pfuであったので、スクリーニングには十分な規模であると判断した。 2)cDNAライブラリーからのAtGST11遺伝子の発現転写調節因子をコードする遺伝子群のスクリーニング 【目的・方法】本スクリーニングでは、アフィニティーカラムをベースにしたbio-panning法で目的のクローンの濃縮を行い、転写因子遺伝子群の単離を試みた。 【結果】今回のbio-panning法は本研究のような目的で採用された報告例は我々が知る限りなく、その応用そのものが妥当性であるかも検証しながらの操作となり、残念ながら1回目は失敗に終わった。いくつかの改良の後に2回目のbio-panningを行い、転写因子をコードすると思われる9個の候補クローンを得た。 3)スクリーニングされた転写調節因子をコードする遺伝子群の分子遺伝学的解析 【目的・方法】単離された遺伝子の塩基配列の決定、DNA database上で既存の配列との相同性の検討などを行った。 【結果】得られた9個については得られた数が多かったこと、またそれらのクローンが完全長であるかを早く知る必要があったため、塩基配列の決定を優先的に進めた。その結果、どのクローンも完全長ではなかったが、この中には転写因子でよく見られるDNA結合性のLeucine Zipper配列を持つと思われる興味深いクローンも含まれていた。 今後、ゲルシフトアッセイを行い、これらのクローンが転写調節因子として、AtGST11遺伝子のプロモーター領域に結合するか、検討する予定である。
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