研究課題
Pseudomonas aeruginosa PAO1株からクゥオーラムセンシングの鍵制御因子であるRhlRの遺伝子を増幅しクローニングした。精製の便宜を考慮し、クローニングした断片を用いHisタグを付与したRhlRをコードする遺伝子(His-rhlR)を作成した。rhlRを欠損したPAO1の変異株にHis-rhlRを導入したところ変異を相補したことから、His-RhlRは機能を保持していることが確認された。His-rhlRを大腸菌に導入し高発現を行ったところ、His-RhlRはインクリュージョンボディになってしまった。種々の培養条件を検討したものの、状況は改善されなかったことから、大腸菌を宿主としたHis-RhlRの高発現はあきらめ、in vitro蛋白質発現システムによる発現を試みた。しかし、In vitro蛋白質発現システムでもHis-RhlRは発現されなかった。そこで、P.aeruginosa PAO1を宿主として用い、His-RhlRの発現を試みた。その結果、His-RhlRは可溶画分に発現されることが判明した。発現したHis-RhlRをアフィニティクロマトグラフィーにより部分精製しRhlRの標的であるluxボックスを含んだDNA断片への結合能を調べたところ、結合活性を保持していることが判明した。Hisタグ部分のコドンがP.aeruginosaの発現では不利な配列であることがわかったので、現在、P.aeruginosa PAO1およびPAO1由来の変異株でHis-RhlRを高発現できるよう、His-rhlRの塩基配列の改善を行っている。
すべて 2004
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The 10th APCChE congress, Conference Proceedings 3P-01-086(CD-ROM)
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