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2004 年度 実績報告書

酢酸菌キノプロテイン・グリセロール脱水素酵素と5-ケトグルコン酸生成

研究課題

研究課題/領域番号 16580061
研究機関山口大学

研究代表者

松下 一信  山口大学, 農学部, 教授 (50107736)

研究分担者 外山 博英  山口大学, 農学部, 助教授 (60240884)
キーワードキノプロテイン / グリセロール脱水素酵素 / 5-ケトグルコン酸 / ピロロキノリンキノン / Gluconobacter属酢酸菌
研究概要

Gluconobacter属酢酸菌細胞膜から新たに分離されたキノプロテイン・グリセロール脱水素酵素(GLDH)は、広範な糖アルコールだけでなく、いくつかの2級アルコールを酸化するとともに、グルコン酸を酸化して5-ケトグルコン酸を生成する能力も有している。また、このGLDHは、2つの至適pHを有し、且つ最大活性発現に補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)に加えてCa^<2+>とMg^<2+>の2つの金属イオンを必要とする。本年度は、本酵素のこれらの特異な性質を明らかにする目的で研究をすすめ、以下のような成果を得た。
1.PQQの結合様式の解析:EDTA透析法によってアポ酵素を調製し、そこへのCa^<2+>もしくはMg^<2+>あるいはPQQの結合のキネティクスを、蛍光分光法によるタンパク質構造変化を追跡することで解析した。その結果、本酵素にはPQQおよびMg^<2+>に対して2つの結合部位が存在するが、Ca^<2+>は1つの結合部位しかなく、高親和性部位のPQQ結合は両イオンの存在で強められることも示された。
2.GLDH触媒部位の解析:本酵素は、非常に広い基質特異性を有する特徴をもつだけでなく、酸性とアルカリ両領域で酵素活性を示すことから、それらの触媒機能の解析を行った。Ca^<2+>でホロ化した酵素は酸性域の活性しか示さないのに対し、Mg^<2+>ホロ化酵素は両pH領域で活性を示した。また、基質特異性では両pH領域で種々の基質に対するキネティクスに、グルコン酸を除いて、顕著な違いが見られなかった。グルコン酸につてはアルカリでの活性が非常に低いことが示されたが、これはグルコン酸の強力なキレート作用によるものであることが明らかとなった。
3.GLDHのX線構造解析:精製酵素の界面活性剤をドデシルマルトシドおよびLDAOに置き換えて結晶化をすすめているが、現在のところ有効な結晶は得られていない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Quinate oxidation in Gluconobacter oxydans IFO3244 : purification and characterization of quinoprotein quinate dehydrogenase2004

    • 著者名/発表者名
      A.S.Vangnai et al.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiol.Lett. 241

      ページ: 157-162

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] d-Hexosaminate production by oxidative fermentation2004

    • 著者名/発表者名
      D.Moonmangmeel et al.
    • 雑誌名

      Applied Microbiol.and Biotecnol 66

      ページ: 253-258

  • [図書] Advanced in Photosynthesis and Respiration Vo.16 : Respiration in Archaea and Bacteria. Diversity of Prokaryotic Respiratory Systems(Ed.by D.Zannoni)2004

    • 著者名/発表者名
      K.Matsushita et al.
    • 総ページ数
      310(81-99)
    • 出版者
      Springer, Dordrecht, The Netherlands

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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