研究課題
基盤研究(C)
本申請の目的は、強力な過酸化脂質分解力を持つ食品乳酸菌を開発し、その腸内導入による腸内過酸化脂質分解の促進化である。平成16年度で、過酸化物分解酵素を有する乳酸菌を分離するための培地を開発し、強力な過酸化物分解力を持つ有用菌株を分離した。17年度では、分離乳酸菌を同定後、過酸化物分解力を評価し、分解機構について考察した。1.分離菌株の簡易同定とグルーピング:分離株を簡易同定(乳酸菌マニュアル、朝倉書店)後、病原性乳酸菌の可能性のある株は除外し、食品に応用できる可能性の菌株を48株を選抜した。分離株のうち過酸化脂質分解力が高い4株を16sDNAシークエンス法と性状解析法により完全同定した。4株ともLactobacillus plantarumに属していた。2.分離株の過酸化脂質分解力の評価:分離株を過酸化脂質と2価鉄を含まない乳酸菌標準培地(GYP)を用いて、好気振とう培養後集菌し、37度Cで過酸化脂質分解力を測定した。過酸化脂質として過酸化リノール酸と活性測定のためのモデル化合物として過酸化クメンを用いた。また親水性基質として過酸化水素を用いた。最も過酸化脂質分解活性が高い株は、Lactobacillus plantarum Pan1-2株であった。この株は過酸化クメンを分解するが、親水性過酸化物の過酸化水素に対しての活性はその約半分であった。3.休止菌体による過酸化物分解機構解析:過酸化ブチルを用いてL.plantarum Pan1-2株における、反応産物を同定した。過酸化ブチルはブタノールに等量的に還元されており、同株が過酸化物を2電子還元することが示唆された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (12件)
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