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2006 年度 実績報告書

酵母キラー情報の感受性酵母細胞内への伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16580068
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

北本 宏子  独立行政法人農業環境技術研究所, 生物生態機能研究領域, 主任研究員 (10370652)

キーワード応用微生物 / シグナル伝達 / 抗生物質
研究概要

酵母が他の酵母を殺すキラー作用は、真核生物が生産する抗菌蛋白質のモデルになる。本課題では、キラー蛋白質(Kluyvcromyces lactis酵母Killer protein=KIKP)が、出芽酵母の表層に結合後、細胞内へ殺菌情報が伝わる機構を明らかにする。昨年度は、KIKPを高純度に精製し、抗体を作成した。この材料を用いて、KIKPを作用させた細胞では、KIKPのα、γサブユニットが細胞内へ侵入することを明らかにした。
しかし、侵入したサブユニットは、細胞内の不溶性画分(膜画分)に局在し、検出が不安定であった。今年度は、可溶化方法を検討し、特殊な界面活性剤存在下で超音波処理を行うことで、可溶化の再現性が向上した。一方、KIKPに耐性を示す酵母株を検索した結果、MAPkinase経路の1つであるCell Wall Integrity経路(CWI経路)の遺伝子欠損株(センサーであるWsc1,2,3、MAPKKであるBck1,MAPKであるMpk1の各遺伝子破壊株)がKIKP耐性を示した。また、Mpk1は、KIKP処理後、リン酸化を受けた。さらに、CWI経路活性化を抑制するために、恒浸透圧条件下でKIKPを処理すると、細胞はKIKPに対して耐性を示した。以上のことから、KIKPによって感受性細胞のCWI経路が活性化されることが明らかになった。
CWI経路は、その他の多くの抗菌物質でも活性化されることが報告されている。通常は、活性化により抗菌物質耐性を示し、経路の遺伝子を破壊すると、抗菌物質に対して感受性になる。しかし、KIKPの場合は逆の結果になった。また、KIKPの細胞表層標的物質はキチンである。従って、CWI経路の下流にある、キチン合成経路が活性化されることで、細胞はKIKPによってより大きな障害を受けることが推測される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 自然界の飛び道具 酵母はどうやって生存競争に勝つか?2006

    • 著者名/発表者名
      北本宏子
    • 雑誌名

      化学と生物 44・11

      ページ: 734-736

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Characterization of the genus Pseudozyma by the formation of glycolipid biosurfactants, mannosylerythritol lipids2006

    • 著者名/発表者名
      T.Morita, M Konishi, T Fukuoka, T Imura, H K Kitamoto, D Kitamoto
    • 雑誌名

      FEMS Yeast Research Online Early, doi:10.1111/j.1567-1364.2006.00154.x

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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