研究課題/領域番号 |
16580078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (00312653)
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研究分担者 |
禹 済泰 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20272693)
永井 和夫 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00011974)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | シグナル伝達 / 発生・分化 / 酵素 / 生理活性 / 細胞・組織 |
研究概要 |
本研究は、破骨細胞の分化過程におけるプロテインホスファターゼ2Cの発現および活性調節機構を解析し、破骨細胞分化の制御機構を明らかにすることを目的とする。以下に、補助金交付期間の成果を総括して述べる。 1:マウス単球/マクロファージ由来RAW264は、破骨細胞分化因子(RANKL)を加えて培養することにより、破骨細胞様の細胞に分化することが知られている。そこで、この分化誘導過程のRAW264細胞における、PP2CのmRNA発現量をrealtime PCR法により比較定量した結果、RANKL刺激後、少なくとも2種類のPP2CサブタイプのmRNA量が一過性に上昇することがわかった。 2:RANKLの受容体であるRANK cDNAをクローニングし、これを用いて構築した発現ベクターをHEK293細胞で発現したところ、p38のリン酸化の亢進およびNF-κBの活性化が確認された。このリン酸化および活性化は、RANKL刺激により発現が亢進するPP2Cの共発現によって抑制された。さらに、RANKを安定的に発現するHEK293細胞株を樹立し、RANKLを加えると同様に亢進するp38のリン酸化とNF-κBの活性化が、PP2Cの発現によって抑制されることを確認した。 3:Protein transduction domainの1つとして知られるTATペプチドを融合することにより、ある種のタンパク質は効率的に細胞に導入されることが知られている。そこで、PP2CとTATペプチドの融合タンパク質の発現プラスミドを構築し、大腸菌における発現、精製方法を確立した。 今後、RANKLによるPP2C mRNAの誘導機構を解析するとともに、RANK-293細胞で見られた、RANKL/RANKシグナル伝達経路に対するPP2Cの抑制的な作用が、破骨細胞分化の制御機構でどのように機能しているのかを検証する。
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