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2006 年度 実績報告書

植物自己防御タンパク質のプロテオミクス研究

研究課題

研究課題/領域番号 16580080
研究機関九州東海大学

研究代表者

荒木 朋洋  九州東海大学, 農学部, 教授 (20193071)

キーワードキチナーゼ / 自己防御 / ザイモグラフィー / 質量分析 / プロテオーム
研究概要

本研究は,キチナーゼが病原菌の感染により誘導され,病原菌の細胞壁を分解することから,外部からの細菌の進入を防ぐ目的で機能する自己防御タンパク質と考えられているが,その構造と生理機能の関係がよくわかっていないことから,キチナーゼの検出・同定法の開発から,誘導型キチナーゼの解析までを系統的に解析したものである.まず,キチナーゼ検出と同定のためのザイモグラフィーでは,基質ゲルを用いた活性染色法を改良することにより,高感度でキチナーゼの検出とクラス分類を可能にした.次にキチナーゼプロテオーム解析のための質量分析法の検討では,高感度活性染色ゲルからの超微量タンパク質同定を可能にするため,MALDI-TOF型質量分析機を用いたデノボシークエンス法の確立を試みた.その結果,インゲル消化からのトリプシンペプチドに化学修飾を加えることによって高感度に配列分析を行うことが可能になった.また,ストレス誘導キチナーゼの解析では,金属(アルミニウム)ストレスによって,新規クラス1タイプのキチナーゼが優先的に誘導されることを明らかにした.このキチナーゼは従来のクラス1キチナーゼと比較して分子量が大きく,複数のキチン結合ドメインを有する新規キチナーゼの可能性が考えられた.さらに,感染・傷害誘導キチナーゼの解析を行い,感染経由のキチナーゼ誘導と,食害によるストレス誘導キチナーゼを比較した.その結果,金属ストレスと同様に,食害によるストレス誘導がクラス1タイプのキチナーゼを誘導していることが強く示唆された.以上の結果より,植物キチナーゼは菌の感染防御に対して働く機構とは別に,種々のストレスによってキチン結合能を有するキチナーゼが誘導される可能性が示唆された.これは,キチン結合ドメインを有するキチナーゼが,菌のキチン質を分解する機能ではなく,異なる生理活性を有している可能性が考えられた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] New variant of quail egg white lysozyme identified by peptide mapping.2007

    • 著者名/発表者名
      Thammasirirak, S., Preecharram, S., Ponkham, P., Daduang, S., Araki, T., Svasti, J.
    • 雑誌名

      Comp.Biochem.Physiol. (In press)

  • [雑誌論文] Purification, characterization and comparison of reptile lysozymes.2006

    • 著者名/発表者名
      Thammasirirak S, Ponkham P, Preecharram S, Khanchanuan R, Phonyothee P, Daduang S, Srisomsap C, Araki T, Svasti J
    • 雑誌名

      Comp.Biochem.Physiol. 143(2)

      ページ: 209-217

  • [雑誌論文] Amino Acid Sequence and Activity of Green Turtle (Chelonia mydas) Lysozyme.2006

    • 著者名/発表者名
      Chijiiwa, Y., Kawamura, S., Torikata, T., Araki, T.
    • 雑誌名

      Protein J. 25(5)

      ページ: 336-344

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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