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2004 年度 実績報告書

枯草菌コンピテントファクターに関する化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16580087
研究機関名古屋大学

研究代表者

坂神 洋次  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80107408)

研究分担者 小鹿 一  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50152492)
キーワードComXフェロモン / トリプトファン / ゲラニル / 翻訳後修飾 / イソプノレイド / 枯草菌 / クウォラムセンシング
研究概要

すでに合成したトリプトファンの1位や4位にゲラニル基を導入した生物活性を示さないペンタペプチドを標品として、LC-MSにおけるComXフェロモンの分析条件を確立した。このLC-MSで天然ComXフェロモンの生産量をモニタリングすることにより、最適培養条件を確立した。精製に当たっては、本物質が酸性条件下で活性を失うことに配慮して、精製法を確立した。最終的にComXフェロモンを5リットルの培養濾液から精製し、約0.2mgの純粋なComXフェロモンを得ることに成功した。このフェロモンは、3nMで活性を示した。得られた天然ComXフェロモンの各種NMRスペクトルを測定したが、溶媒に対する溶解度が低いために13C NMRを測定することはできなかった。しかしながら、ComXフェロモン中のトリプトファン残基の構造として、トリプトファンの3位にゲラニル基が結合し、アルファー位アミノ基が2位に結合した3環性の特異な構造を持つことを決定することができた。さらに、立体化学についても検討を加え、絶対立体構造を決定することに成功している。次に提出構造を確定するために、化学合成を行い可能な立体異性体4種を合成した。これらのゲラニルトリプトファンを含むペプチドを合成し、NMR,LC-MSにより天然のComXフェロモンの構造が提出構造の通りであることを確認した。また天然ComXフェロモンと同一の構造を持つペプチドのみが、生物活性を示し、他の立体異性体は、生物活性を持たないことも明らかになった。本年度の研究により、枯草菌のクウォラムセンシングを制御するComXフェロモンの化学構造を世界に先駆けて明らかにすることができた。イソプレノイドによる翻訳後修飾は、システインの例に次いで2番目のものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Towards structural determination of the ComX pheromone : Synthetic studies on peptides containing geranyltryptophan.2004

    • 著者名/発表者名
      M.Okada
    • 雑誌名

      Biosci.Biotechnol.Biochem. 68(11)

      ページ: 2374-2387

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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