研究概要 |
平成16年度においては、伐採が表層崩壊発生機構に与える影響を定量的に評価するために、表層崩壊発生の蓋然性が高いと考えられる皆伐流域内(1999年伐採,2000年植栽)の自然斜面において以下の項目のモニタリングを実施している。 a)インターネットカメラによる画像モニタリング:[執印担当] b)斜面土層内の振動モニタリング:[執印担当] c)気象・水文モニタリング(降雨,気温,土壌水分,地下水位):[鈴木・掘田担当] 気象・水文モニタリングから、伐採前後の土壌水分の経時変化について以下のことを確認している。(1)伐採後、斜面内の土壌水分は全体として増加傾向にあること,(2)部分的にではあるが、斜面表層部は乾燥傾向にあること,(3)斜面下部の中層及び下層において、土壌水分が増加傾向にあること,以上3項目である。本年度においては、この伐採による斜面土壌水分の変動特性を説明するための、モデルによる浸透計算を行っている。また、崩壊発生機構を解析する上で斜面下部における土壌水分変化の、より詳細なモニタリングが必要であることから、これまでのテンシオメータによる観測に加えて、冬季における観測が可能な土壌水分センサーの新たな導入を図っている段階にある。
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