研究概要 |
本研究課題において、伐採が表層崩壊発生機構に与える影響を定量的に評価するために、表層崩壊発生の蓋然性が高いと考えられる皆伐流域内(1999年伐採,2000年植栽)の自然斜面を対象に以下の項目のモニタリングを実施してきている。 a)インターネットカメラによる画像モニタリング:[執印担当] b)気象・水文モニタリング(降雨,気温,土壌水分,地下水位):[鈴木・掘田担当] 画像モニタリングにおいては、商用電源がない自然斜面においても利用が可能な画像取得システムを構築した。本システムは降雨と連動して画像を取得することによって崩壊発生前後の斜面の概況を効果的に把握出来るものである。 気象・水文モニタリングおいては、伐採前後の土壌水分の経時変化について以下のことを確認している。伐採後、斜面内の土壌水分は蒸発散量の減少によって全体として増加傾向にあるものの、斜面部位毎にその傾向をみると、斜面表層部は乾燥傾向にあり、斜面下部の中層及び下層において、土壌水分が増加傾向にあることが確認されている。 伐採による斜面土壌水分の変動特性を定量的に説明するため、ある程度まで現象の再現が可能な浸透計算モデルによる計算を行ない、これと現地において取得した土質強度パラメータを使用した斜面安定モデルを組み合わせることによって、斜面崩壊予測を行っている。
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