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2004 年度 実績報告書

塩生植物の耐塩機構と地下水位に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16580121
研究機関鳥取大学

研究代表者

玉井 重信  国立大学法人鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60026606)

キーワード塩生植物 / 地下水位 / 塩分濃度 / 土壌含水率 / 乾燥地 / ギョリュウ / 国際研究者交流 / 中国
研究概要

塩生植物が生育している塩類集積地の多くは、地下水位が高くその変動が大きい。そこで塩生植物ギョリュウを地下水位の異なる4処理を大型ポットを用いて成長実験を行い、高塩分濃度・高含水率土壌下で生育できるこの種の戦略を明らかにすることを試みた。本年は、植栽木が小さく成長に関する結果は得られていないが土壌水分と塩分濃度の垂直的変化が把握できた。中国内蒙古では、海外共同研究者と現地のギョリュウの成長量・形態と土壌の物理・化学的特性、特に地下水位に注目して調査を行った。経時的に地下水位、塩分濃度は土壌の浅い部分で激変しこれに適応した生育形態をケイリュウは持っていた。塩分、水分共に含有率の高いところでは根の発達は悪いが、個体の非同化部分の割合を小さくし生育限界を維持し個体を保っていた。また土壌塩分濃度は、比較的深いところでは低下するが一方、気相の比率が小さくなり耐塩ともに塩類集積地域で生育する植物にとっては滞水に対する耐性には必要であることが分かった。乾燥地や塩類集積地の植物が自生地以外で栽培されているが、現在生育している環境に遺伝的に適応しているかを生理・生態学的にウラジルコネヤナギで中国、北海道、鳥取の3カ所において調べた結果、この種ではまだ自生地の特性を保持しており各々の環境に順応している段階であった。これら3カ所の生育地に微気象的差異はあったが、いずれも適潤性の土壌であったことが原因と思われ、乾燥地においては葉など地上部の生理特性だけでなく地下部のその特性と取り巻く微環境を精査する必要がある。しかし遺伝特性に差異が未だ現れていないのは多分、種および経過時間により異なることが推測され更に検証する必要性を感じた。次年度以降更にポットによる地下水位実験と中国現地で実験・調査を行い地下水位変動が塩生植物の生育に与える影響・メカニズムを明らかにする。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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