研究概要 |
バイオマス資源量の把握 2000年撮影,2004年撮影のカラー空中写真を用いてCMYK系,RGB系,Lab系の色チャンネルに分解し、人工林について現地調査によって測定した22箇所のプロットにおける立木本数密度を輪郭線密度から回帰した。その結果、スギ・ヒノキ林分に対してはRGB系グリーンチャンネルの輪郭線密度による単回帰が、スギのみについてはCMYK系イエローチャンネルとRGB系ブルーチャンネルの輪郭線密度による重回帰が、ヒノキのみについてはRGB系ブルーチャンネルの輪郭線密度による単回帰が高い信頼性(R^2>0.8)で有効であることを明らかにした。また、竹林分布の判読にはCMYK系シアンチャンネルが有効であった。さらに、高知県全域について、路網図、国土数値情報、森林資源データを用いて、市町村別に道路からの距離階別のスギ・ヒノキの主・間伐による素材生産ポテンシャルを推計した。この結果をさらに県内8地区に集計して、それぞれの地域における森林所有区分に応じた課題を分析した。 収穫技術の開発 竹資源の収穫については継続して搬出作業の生産性を調査し、データを蓄積するとともに表土流亡調査プロットにおいて追跡調査を継続した。また、他の地域における竹収穫の取組みについても資料収集した。木質バイオマスの収穫については、収集運搬過程における乾燥プロセスを含めた課題を明らかにするために、丸太乾燥実験、チップ乾燥実験、端材積込み作業調査、集材時における枝条落下量の調査を実施した。その結果、端材はアスファルト敷きの土場において地表から離して放置する条件が最も有効であり、チップの乾燥は攪拌を伴なわない場合には乾燥は表層10cmまでにとどまることを明らかにした。また、集材時の枝条落下量はスギで20〜60%であり、ヒノキでは5%であり、ヒノキについては枝条を含めて収集することの有効性を明らかにした。
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