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2007 年度 実績報告書

バイオマスの変換プロセスに適した木材糖化効率を高める白色腐朽菌の分子育種

研究課題

研究課題/領域番号 16580133
研究機関京都大学

研究代表者

本田 与一  京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70252517)

キーワードバイオマス変換 / 白色腐朽菌 / 遺伝子工学 / 形質転換 / 宿主ベクター系 / 担子菌 / きのこ / クローニング
研究概要

担子菌類(きのこの仲間)のリグニン分解能力を利用して木質バイオマスの変換利用の際に障害となる高分子リグニンを分解除去する系は、常温常圧で反応が進み環境へのインパクトが少ない点が特徴である。担子菌の中でも白色腐朽菌類は、一般に菌体外に分泌するラッカーゼやペルオキシダーゼによって初発される連鎖的ラジカル反応によって、高分子リグニンの低分子化を促し、これによって生成する多様な芳香族有機化合物を分解・資化するとされている。本研究では、研究代表者が自ら開発を行ったリグニン分解性担子菌P1eurotus ostreatus(ヒラタケ)への遺伝子導入システムを利用して、木材糖化能が高度に高められた「遺伝子組換え担子菌」を作製する目的で、これまでに高分子リグニンをも直接分解することが可能な多機能型のマンガンペルオキシダーゼを発現するための組換えmnp2遺伝子を形質転換導入して遺伝子組換え体を単離し、本菌において多機能型ペルオキシダーゼの高発現を確認し、続いて難分解性環境汚染物質であるベンゾaピレンの分解を行って、野生型の数倍の除去能を獲得していることを明らかにしたたほか、野生型がMnP2を生産しない条件下でも、著量のMnP2を発現する条件を振蕩培養を用いた系で確立した。さらに本酵素の高分子基質との反応性における構造機能相関の解明を目的として、種々の変異体の作成を行ってきた。
本年度はこれまでの成果に立脚して、多機能型ペルオキシダーゼの部位特異的変異導入によるアミノ酸置換変異体の解析を行って、1.本酵素のユニークな特徴である高分子基質との反応部位の特定、2.反応部位周辺部のアミノ酸の基質特異性決定への関与、3.野生型よりも高分子基質酸化能力が増強されたスーパー酵素の単離、に成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Mechanism for oxidation of high-molecular-weight substrates by a fungal versatile peroxidase, MnP22008

    • 著者名/発表者名
      Tsukihara, T., Y. Honda, R. Sakai, T. Watanabe, T. Watanabe
    • 雑誌名

      Appl. Environ. Microbiol. 74(in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] ヒラタケの非相同末端結合関連遺伝子ku70の解析2007

    • 著者名/発表者名
      本田与一、矢野陽一郎、高橋理、渡邊崇人、渡辺隆司
    • 学会等名
      日本きのこ学会 第11回大会
    • 発表場所
      旭川市
    • 年月日
      2007-09-19
  • [学会発表] 白色腐朽菌ヒラタケの非相同末端結合関連遺伝子ku70のクローニング2007

    • 著者名/発表者名
      矢野陽一郎、本田与一、渡邊崇人、渡辺隆司
    • 学会等名
      第57回日本木材学会大会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      2007-08-10
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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