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2005 年度 実績報告書

海洋中における生分解性プラスチックの微生物分解の機構と漁具への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16580146
研究機関東京海洋大学

研究代表者

兼広 春之  東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80134857)

研究分担者 東海 正  東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30237044)
渡部 俊広  (独)水産総合研究センター 水産工学研究所, 漁法学研究室, 室長 (90344332)
キーワード生分解性プラスチック / ゴーストフィッシング / 深層水 / 極限環境 / 低水温,高水圧 / 強度低下 / プラスチック分解微生物
研究概要

平成17年度はこれまで実施してきた生分解性漁網繊維の深層水浸漬試験において,深層水中からプラスチック分解微生物の単離を試みた。深層水浸漬試験はこれまで同様,富山県水産試験場の深層水汲み上げ施設内にある飼育水槽(水温0.5℃)と加圧タンク(水温2.5℃,水圧約20atm)内で行った。深層水浸漬試験には,脂肪族ポリエステル系の繊維3種類(PCL, PHB/V, PBS)と天然繊維1種類(絹糸)の計4種類を用い,浸漬期間は1年間とし,1,3,6,9,12ヶ月ごとにサンプリングを行い,試料の力学的特性(強度,伸度)の変化と試料表面の顕微鏡観察を行った。さらに,PCLについて試験水(深層水中)から平板培地培養法により分解微生物のスクリーニングと単離を行った。単離したPCL分解微生物についてDNA抽出を行い,その遺伝学的解析を行った。
試験水の中で分解の最も速かった加圧タンク水を100倍濃縮し,PCLグラニュール寒天平板培地(塗沫法)により分解微生物のスクリーニングを行った。PCLを炭素源とした培地からクリアーゾーンが形成された低温(4℃及び10℃)の分解微生物2株(白色のコロニーと乳白色のコロニー)と,表層水から10℃でクリアーゾーンが形成された分解微生物1株(乳白色のコロニー)についてDNAを抽出し,PCR-DGGE(変性濃度勾配ゲル電気泳動)法により3株の純化を確認した。DGGEバンドより,3株がそれぞれ異なる分解菌であることが推測された。さらに,これらの3株のうち加圧タンク水から単離された2株(それぞれ,Toyama04とToyama10と命名)について遺伝子解析を行った。2株の分解微生物について,遺伝子解析による菌の同定を行った結果,どちらもPseudomonas sp.と高い相同性を示した。また,顕微鏡観察の結果,これらの菌はともに桿菌であることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] ゴーストフィッシング対策としての生分解性繊維の利用-海水中における生分解性繊維の分解挙動-2006

    • 著者名/発表者名
      兼広春之, 菅谷菜美子, 榎 牧子, 渡部俊広, 野村幸司
    • 雑誌名

      平成17年度海洋廃棄物生物影響調査事業「流出漁具が水産資源に与える影響調査報告書」

      ページ: 55-67

  • [雑誌論文] ゴーストフィッシングの防止対策例としての新素材の利用2006

    • 著者名/発表者名
      兼広春之, 菅谷菜美子, 榎 牧子, 渡部俊広, 野村幸司
    • 雑誌名

      平成18年度日本水産学会, 高知

  • [雑誌論文] ポリカプロラクトン(PCL)分解菌(R-1株)の増殖と酵素活性に対する塩濃度の影響2006

    • 著者名/発表者名
      関口峻允, 兼廣春之, 榎 牧子
    • 雑誌名

      平成18年度日本水産学会, 高知

  • [雑誌論文] 海洋深層水中における生分解性プラスチックの分解性に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      村上宙, 兼広春之, 榎牧子, 若林信一, 渡部俊広
    • 雑誌名

      2005年度(H17年度)日本農芸化学会, 札幌

  • [雑誌論文] 深層水中におけるプラスチックの微生物分解と分解微生物の単離2005

    • 著者名/発表者名
      菅谷菜美子, 兼広春之, 村上宙, 榎牧子, 渡部俊広, 若林信一, 野村幸司
    • 雑誌名

      水産ゼロエミッション研究会

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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