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2004 年度 実績報告書

海洋微生物を用いた環境有害物質のバイオレメディエーション

研究課題

研究課題/領域番号 16580150
研究機関東京海洋大学

研究代表者

濱田 奈保子  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助手 (70323855)

研究分担者 浦野 直人  東京海洋大学, 海洋環境学科, 教授 (90262336)
今田 千秋  東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (90183011)
キーワードリグニン / 糸状菌 / 耐塩性 / TBT / TPT / ラッカーゼ / 色素 / 海洋環境
研究概要

リグニン分解酵素は特有な分解システムを有しており,反応の多様性と強い酸化力により,リグニンのみならず,様々な有害物質をも分解可能であることが明らかとなってきた.これまでに,特定の有害物質,例えば,PCBやダイオキシンを分解する陸上由来の微生物は多く見出されており,その微生物を用いたバイオレメディエーションが実施されているが,海洋環境での実施例は皆無である.また,これまでに報告されている海洋環境由来のリグニン分解微生物の報告例は1例のみである.地球全表面積の約70%を占める海洋は,高塩分,低温,貧栄養など,多くの点で陸上環境とは性質を異にしており,その環境に適する特異な分解微生物の取得が期待できる.それ故,陸上由来のリグニン分解微生物とは異なる新規な微生物を分離できる可能性も極めて大きいと思われる.昨年行った研究では,奄美大島の湿地帯から採取した流木より分離した微生物に強いリグニン分解酵素活性が認められ,リグニン分解酵素のうち,ラッカーゼを産生する微生物であることを明らかとした.また,本歯の代表的な生理・生化学的性状試験を行った結果,生育可能温度領域4-37℃,pH 2-11,NaCl濃度0-12%の範囲で生育可能な耐塩性を有する糸状菌であった.また,NaCl濃度5%までは,ラッカーゼの産生が観察されたため,海洋環境でのバイオレメディエーションに適する微生物であることが示唆された.ラッカーゼを産生する最適培養条件下,TBT, TPTを0.1ppm添加した揚合に,約1週間で両物質はほぼ完全に分解した.さらに,汎用性の高い色素染料9種についてその脱色を検討した結果,リアクティブ色素を培養1日目で50%以上脱色することを確認した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] トリブチルスズ化合物の海洋微生物による分解2004

    • 著者名/発表者名
      濱田(佐藤)奈保子, 水石和子, 渡邉悦生
    • 雑誌名

      海洋と生物 26

      ページ: 148-153

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Degradation of ferric-chelate of ethylenediaminetetraacetic acid (Fe-EDTA) by a bacterium collected from deep-sea shrimp

    • 著者名/発表者名
      C.Imada, Y.Harada, T.Kobayashi, Naoko Hamada-Sato.E.Watanabe
    • 雑誌名

      Journal of Marine Biotechnology (In press)

  • [産業財産権] 糸状菌及びこれを用いた環境浄化方法2005

    • 発明者名
      濱田 奈保子, 斎藤 智子
    • 権利者名
      東京海洋大学
    • 産業財産権番号
      2005-068945
    • 出願年月日
      2005-03-11

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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