研究課題
基盤研究(C)
シャットネラ細胞からの溶血活性物の効率的抽出法の検討から、メタノール抽出が極めて有効が良い事を見出した。そこで、シャットネラを大量培養し、遠心分離によって回収した細胞からのメタモール抽出物を出発物質として調製した。Sephadex LH-20のカラムクロマトグラフィーにより、多くの抽出された色素類と活性物質とを分離できることを既に見出しているので、本カラムクロマトにより多くの色素成分から分離された部分精製物を得、次いで、薄層クロマトグラフィー、主にC18逆層カラムを用いたHPLCによる精製を行い、高純度な溶血活性物質の精製に成功した。最終精製物の溶血活性をウサギ赤血球を用いて測定すると共に、その生化学的性質を明らかにする目的で、その溶血に必要な光強度、照射時間との関係、或いは活性発現に必要な波長域等、光に依存した溶血活性発現にかかわる解析を行った。さらに、これまでの予備実験において、本溶血物質は培養細胞に対しても強い細胞毒性を発現することを見出している。そこで、溶血活性に関する検討で得られた知見に基づき、これまで主に用いてきたヒト癌細胞HeLa細胞に加え種々の培養細胞に対する作用について、特に光の影響と細胞形態変化に関連する側面を中心に細胞毒性発現機構との観点からの解析を行った。前年度の研究に一致して、精製毒素のアポトーシス誘導活性については否定的であった。従って、ネクローシス及び他の毒性発現機構の可能性についてさらに解析をした。その結果、本精製毒素、は測定に用いたすべての培養細胞に対して、光依存的な強い毒性を発現した。蛍光顕微鏡での観察から、本毒素は細胞膜に時間経過に伴い、徐々に蓄積する傾向を示した。以上のことから、本毒素は細胞膜に光依存的に不可逆的な傷害を引き起こすことで、溶血あるいは細胞毒性を発現すると推定された。
すべて 2005 2004
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