現有設備である連続培養装置を改良して、植物プランクトンの光合成曲線実験での強度阻害下の光強度が得られるようにした。今年度は光制限下と光飽和下での光強度での実験を行った。また、クロロフィルaあたりの比吸光係数の測定を積分球付の分光光度計を用いて、グラスファイバーフィルター上に細胞を採集して行った。また、現場海水中で吸光を測定できる水中分光光度計(ac9)を用いて、海水中の細胞の光吸収を直接測定した。この両者には、連続培養装置で培養した細胞濃度を20倍に稀釈しても一時的な関係があることを明らかにし、グラスファイバーフィルター方法を確立した。この結果は当研究室の卒業論文「Diel variation in the optical characteristics of the prymnesiophyceae Isochrysis galbana」としてまとめられた。また細胞濃度、細胞体積、細胞あたりの光合成色素、及びクロロフィルaあたりと細胞あたりの比吸光係数の明暗周期を正弦曲線で近似して、この近似式から求められる位相と振幅と光強度との関係を光制限下と光飽和下で求めた。この結果は平成16年10月25・29日にオーストラリアのフリーマントルで開催された国際会議Ocean Opticsで「Light Absorption of Isochrysis galbana (prymnesiophyceae) under day-light cycle exposed ultraviolet radiation」として、発表した。
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