研究概要 |
3年度にあたる平成18年度には培養槽の大型化及び光強度の増加等の改良を加えた連続培養装置を利用して、過去2年間で充分に実験的に解明しきれなかった実験を行い、当初目的としていた(1)光強度、(2)光周期、及び(3)栄養塩制限に対する依存性をほぼ明らかにすることが以下のようにできた。(1)光強度の増加ととも植物プランクトン細胞の比吸光時性は減少すること(Kobashi et al. 2005,2007)、また、光強度により比吸光特性の日周移相が12時間ずれること(Ohieta1.2005)、(2)光周期において明期が長くなればなるほど、細胞のクロロフィルaあたりの比吸光特性は減少すること(Mizobuchi et al. 2005,2006a, b,2007,)、また、光強度により比吸光特性の日周位相が12時間ずれること(Ohi et al. 2005)、(3)植物プランクトンによる基礎生産量を支配している硝酸塩濃度:リン酸塩濃度比(N:P比)が減少すると比吸光特性が増加するプレミニシウム藻のIsochrysis galbanaの場合もあり、全くN:P比の変化に変動を示さない渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseの場合もあるという、その対応が種によって異なることが明らかとなった(Leong and Taguchi 2004a, b,2005,2006; Kobashi et al. 2005,2007).これらの研究成果は、平成17年9月28-30日に仙台で開催された日本海洋学会秋季大会、平成17年12月6-7日に東京で開催された日仏ワークショップ、平成18年2月20-24日に米国ハワイのホノルルで開催された米国陸水海洋学会、平成18年3月27-29日に金沢人景で開催された日本海洋学春季大会、及び平成19年3月23-25日に東京で開催された日本海洋学会春季大会で発表した。これらの口頭発表とポスター発表を含めて計10件であった。現在、印刷され公表されたものは以下の10件であるが、投稿中の論文が2件ある。
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