研究課題/領域番号 |
16580169
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
手島 新一 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (70041704)
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研究分担者 |
越塩 俊介 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (60186666)
石川 学 鹿児島大学, 水産学部, 助手 (60284915)
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キーワード | アミノ酸 / 遅溶性 / クルマエビ / 補足効果 / Marsupenaeus |
研究概要 |
クルマエビの養殖は、日本で始まり、その養殖技術はエビ類の養殖に応用され、現在ではウシエビを始めとし多くのエビ類が世界各国で養殖されている。しかし、エビ養殖が普及するにつれて、環境悪化も問題となり、価格が安く、環境にやさしい(環境負荷軽減型飼料)の開発が望まれている。前年度は、大豆タンパク等の安価なタンパク質源に不足する必須アミノ酸を効果的に補足する方法を検討した。その結果、筆者が考案した遅溶性結晶アミノ酸を大豆タンパク質をベースとする飼料中に補足すれば、必須アミノ酸組成が改善され、稚クルマエビに対する飼料の栄養価が改善されることを示した。 17年度は、遅溶性結晶アミノ酸調整技術を用いて、コーチング処理した単品の結晶アミノ酸を用いて、クルマエビのアルギニン、メチオニンおよびリシンの要求量(飼料中の至適含量)を明らかにした。なお、飼育実験における飼料効果は、増重率、飼料効率などの他、飼料および体組織の生化学的分析によって評価した。また、クルマエビ幼生(ゾェア〜ポストラーバーに至る期間)用の微粒子飼料においても、LRAは窒素源として有効に利用されることを明らかにした。これらの結果は、遅溶性結晶アミノ酸を用いれば、まだ明らかにされていないクルマエビの必須アミノ酸の要求量の決定が可能であることを示唆した。さらに、クルマエビが何故コーチング処理しない結晶アミノ酸を利用できないかを検討するために、トレーサー実験を行った。その結果、飼料中に補足結晶アミノ酸(アルギニン)の添加量が増加すると、体タンパク質への取込みが低下することがわかった。
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