研究分担者 |
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40292255)
柘植 徳雄 東北大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80281955)
市田 知子 明治大学, 農学部, 助教授 (00356304)
江川 章 農林水産省, 農林水産政策研究所, 主任研究官(研究職) (10356313)
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研究概要 |
平成18年度は,国内の補足調査と前年度に実施した海外調査のとりまとめを行うとともに,最終年度の作業として研究成果報告書のとりまとめを行った。 とりまとめの視点の第1は,EU諸国問の比較である。固有の地方制度のもとに農村振興政策の受け皿として分権的な企画・立案・実施の体制の構築が進められていることから,フランスとドイツについて農村振興政策が依拠する地方制度の構造を比較した。フランスについて、零細な基礎自治体コミューンが連合しながら,生活圏や就業圏の範域において形成するコミューン共同体や広域圏「ペイ」の実態について検討する一方、ドイツについて、北部地方のLEADER+事業にみる地域組織の連携について明らかにした。第2の視点は日欧の動向の比較検討である。上のドイツLEADER+事業と我が国の中山間直接支払制度を比較分析の素材とし、政策の対象として「まなざし」が向けられる「地域」から,主体としての「地域」に変わりつつある現状を捉えた。第3の視点はわが国の農村振興政策の手法の比較である。援農ボランティア制度(東京都)とワーキングホリディ制度(飯田市)を比較対象とすることで、都市農村交流に関する政策と手法の特徴付けを行った。 以上を通じて,わが国では農村における小規模な市町村の合併の増加が見込まれ,農村の市町村のスケールメリットが追及される一方で,わが国の農業・農村政策の推進においても,農業集落をはじめとする市町村以下の多様な地域集団の存立の必要性を比較の観点かち明示した。
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