(概要) 本年度も引き続き、フィールド調査を中心に情報収集を行った。調査地としては、昨年度から継続の三重県白山町、および白山町発のネットワーク展開として、松阪市、桑名市などの県内での生ごみ堆肥化事例の調査を行った。他に、兵庫県丹波市市島町、豊岡市などの現場を訪問し、各地域における利用可能な自然有機物や産業残渣、堆肥化施設の条件、良好な堆肥化に要する日数、現場のネットワークの広がりに関する聞き取りなどを行った。 (文献調査) 堆肥研究の専門書に限らず、民間の堆肥化手法に関するマニュアルや、堆肥化資材に関する説明書なども収集し、さらにビデオ化された記録も対象とした。同時に、昨年度から継続して、自然農法、有機農法だけでなく、土壌学、肥料学、植物生理学、農作業学にまで範囲を広げて資料の収集を継続した。アジア諸国や西欧での技術が収録された文献資料については、アジア諸国の情報が不足しており、土着技術の保存や記録が困難となっている現状が確認されつつある。 (データ化) 民間の堆肥技術者養成プログラムの概要を記録した。また、簡便な堆肥製造法を専門家に示し、民間で用いられている堆肥化資材中の微生物を調査した。これらを基準として堆肥技術を比較可能な形でデータ化するための検討を継続している。 (中間報告) 三重県における生ごみ堆肥化活動の現状と到達点に関して、日本有機農業学会、韓国有機農業学会において報告を行い、堆肥技術の普及過程に関する試論を展開した。
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