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2007 年度 実績報告書

地域資源循環における適正技術としての堆肥技術の集積と普及に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16580177
研究機関三重大学

研究代表者

波夛野 豪  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (30249370)

キーワード堆肥技術 / 生ごみ堆肥 / 食品資源循環 / 適正技術 / 普及ネットワーク / 主体性回復 / 有機農業 / 地産地消
研究概要

(実施内容)
フィールドを中心に情報収集を行った。調査地としては,30年にわたって有機農業の実践が継続されている大阪府岸和田市塔原地区,地域資源循環事例として江戸時代からの実績が確認されている埼玉県近隣の三富地区などに対象を拡大し,土着の堆肥技術を揉索した。各地域における利用可能な自然有機物や産業残渣,堆肥化施設の条件,良好な堆肥化に要する日数,現場のネットワークの広がりに関する聞き取りなどを行った。
(成果)
三重県を中心に各地で自生的に取り組まれている生ごみ堆肥化活動は,廃棄物の肥料化ルートの目詰まり問題の解決に対して,排出元の関与による悪臭の発生抑制,堆肥の質の確保による利用先の確保,という重要な示唆を与えるものである。さらに,この質確保という制約が,かえって生ごみリサイクル参加者の意欲を高め,結果として活動を広げていること,堆肥化プロセスを各家庭に分散させることで大規模施設を必要としない処理を実現していること,その結果として低コストのシステムを構築し得ており,堆肥技術の集積と普及が重要な要素となっていることを明らかにした。
循環型社会を多様なサブシステムから構築するために必要なものは,大規模施設による生ごみ堆肥化のシステムではなく,小さな技術による分散的な取り組みであり,住民主体の地域内発的な取り組みの定着である。したがって,現段階において求められるものは,拙速な生ごみリサイクル率の向上ではなく,各家庭における生ごみ堆肥化活動への参画の誘導と持続性の確保である。
生ごみ堆肥化というシステムを循環型社会に円滑に組み込み,定着させるには堆肥技術の実践と普及が必要である。各地における生ごみ堆肥化の取り粗みは,住民自身による生ごみの処理活動,地域資源循環活動,内発的地域活性化活動として評価されるだけでなく,今後の地域社会に求められるソーシャルガバナンスを展望できるものである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] CSAによる生産者と消費者の連携-スイスと日本の産消連携活動の比較から-2008

    • 著者名/発表者名
      波歩 野豪
    • 雑誌名

      農業および園芸 第83巻第1号

      ページ: 190-196

  • [雑誌論文] 三重県を中心とする生ごみ堆肥化活動の到達点と住民参加の実態2007

    • 著者名/発表者名
      波歩 野豪
    • 雑誌名

      有機農業研究年報 7

      ページ: 136-149

    • 査読あり
  • [学会発表] CSAと産消提携の展開過程2007

    • 著者名/発表者名
      波歩 野豪
    • 学会等名
      日本有機農業学会第8回大会
    • 発表場所
      新潟大学
    • 年月日
      2007-12-08
  • [学会発表] 三重県の生ごみ堆肥化活動におけるNPOの取り組みと行政支援の実態2007

    • 著者名/発表者名
      山藤石州、波夛野豪
    • 学会等名
      中部農業経済学会第77回研究発表会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-06-23
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] スイスにおけるCSA(Community Supported Agriculture)の展開と日本型CSAの可能性-CSAのプロトタイプとしてのGemeinschaftshofと産消提携-2007

    • 著者名/発表者名
      波歩 野豪
    • 学会等名
      中部農業経済学会第77回研究発表会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2007-06-23
  • [図書] 日本農業経営学会編『循環型社会の構築と農業経営』2007

    • 著者名/発表者名
      波歩 野豪(共著)
    • 総ページ数
      118-136,361
    • 出版者
      農林統計協会
  • [図書] 日本村落研究学会編『むらの資源を研究する』2007

    • 著者名/発表者名
      波多 野豪(共著)
    • 総ページ数
      132-142,261
    • 出版者
      農山漁村文化協会

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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