本研究の目的は、中山間地域における農地保全と水田農業の担い手に対する営農支援の方策について、経営情報システム論の観点から理論的、実証的に検討し、コンピュータ利用による科学的手法を提起することにある。主たる研究手法として用いるのは、研究代表者等が開発を手がけ実用段階に移行してきたパソコン用ソフトウエア「水田作経営の一筆圃場管理システム」である。 研究最終年度の本年に実施した研究の概要は、以下の通りである。 1.中山間地域における農地保全と農用地利用調整 鳥取県の中山間地域・T市M地区に経営立地するR農事組合法人を対象にして集落営農のための農用地利用調整推進方策について検討し、その結果をソフトウエア開発に供した。 2.中山間地域の水田作経営における経営情報システム 鳥取県の中山間地域で水田農業のコントラクター事業を行う第三セクター方式の20経営体を対象にして、農地保全を中心とした経営情報システムの整備状況を調査し、ソフトウエアの適応性と普及方法を検討した。 3.地図情報システムを活用したパソコン用ソフトウエア開発 上記パソコン用ソフトウエアの改良を進め、バージョンアップを行った。 4.地図情報システムを活用したパソコン用ソフトウエアの現地実証試験 鳥取県内のK及びR法人を対象に改良したソフトウエアの現地実証試験を実施し、実用性を向上させた。
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