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2004 年度 実績報告書

柑橘地帯における集団的営農の形成条件に関する研究-重層的主体間関係構築理論の一般化の視点から-

研究課題

研究課題/領域番号 16580182
研究機関愛媛大学

研究代表者

大隈 満  愛媛大学, 農学部, 教授 (20335889)

研究分担者 松岡 淳  愛媛大学, 農学部, 助教授 (90229435)
キーワード集団的営農 / 柑橘 / 重層的主体間関係 / 地域農業マネジメント / 農地流動化 / 交換分合
研究概要

研究代表者は,理論的枠組みとしての高橋明広の重層的主体間関係論に関係する文献調査を行い,バーナード,フェファー,サランシック等の理論的枠組みを検討した.その結果,誘因に関する分析が本調査のポイントとなると考え,第一に共選がどのような形で農家に誘因を提供できているかを検証すること,第二に高橋正郎が提案した「中間組織体」に該当する地域農業マネジメントセンターのような組織を形成することで,農協及び行政が連携関係を組むことができるかどうかを検証すること,を目的として,愛媛県吉田町,和歌山県有田,熊本県熊本うき,静岡県三ケ日町における柑橘に関係する農協の予備的調査を実施した.その結果,共選とは言っても,地域によりかなり大きな格差が見られることが判明した.さらに吉田町について,特定集落を選定してアンケート及び聞き取り調査を進めているところである.
分担者は,吉田町吉田地区で,昭和61〜62年度に実施された樹園地交換分合事業を事例として,(1)事業による樹園地移動の量と範囲,(2)交換に出された樹園地の条件,(3)事業による地区の農家構造の変化を分析した.その結果,(1)に関しては,交換分合事業により,地区内樹園地の約1割が移動し,柑橘農家における樹園地の分散が一定程度改善されたことが明らかになった.樹園地の交換は数十戸以上の農家の緊密な結びつきによって成立しているケースが殆どである.また,交換は殆どが同じ集落の農家同士で行なわれ,樹園地が他集落の農家へ移動したケースは少ない.(2)に関しては,交換に出された樹園地の多くが劣等地であることが明らかになった.(3)に関しては,交換分合により,参加農家の約9割が経営規模を2割以上増減させたが,この増減が,農民層の分解には必ずしも結びついていないことが明らかになった.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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