研究課題
基盤研究(C)
農業者の意識を明らかにすることが重要であると考え、意識調査を実施した。平成17年8月から12月にかけてアンケート用紙を784通配付し、回収は437通、55.7%の回収率であった。就業意識・農業観、農業に対する不安・不満、農業に対する自信の3尺度について、一つの尺度をすべて回答していないものは除外し、387通を有効回答として分析を行った。3尺度の相関はすべて正の相関が見られ、特に就業意識と農業に対する自信の相関係数は.699と強い正の相関が見られた。これに対して農業に対する不安・不満と農業に対する自信は微弱の正の相関が見られた。これらから、就業意識を高く持っている農業者は自信をもって仕事に当たっているということが実証できたのではないか。また、3尺度の項目についてそれぞれの共通因子を抽出した。「常に新しいことに挑戦しようとする意識を持っている」こと、「地域の変化や情報欠如に関する不安が高いこと」、「プロの農業者として自信を持って仕事に当たっている」ことが第一因子として挙げられた。女性農業者から半構造化面接法で聞き取りを行った。女性農業者のサクセスストリーを整理した結果、自己実現には、地域の同業者とのネットワークの構築、パートナーや家族との関係、新しい作物や技術的情報の入手が大きく関係していることが分かった。また、家族経営協定の締結が農村女性のキャリア形成にとって有効であることも分かった。この制度は法制上の拘束力はないが、家族経営において、この政策を推進していくことが農村女性の地位向上につながるとともに家族経営の発展につながると確信できた。今後は、さらに農村女性のキャリア形成が地域農業の発展に貢献するという仮説をたてて研究を進めたい。
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農林業問題研究 162号
ページ: 74-78
賢明女子学院短期大学研究紀要 41号
ページ: 23-32
Journal of Rural Problems No162,Vol.42 No.1
ページ: 72-74
Beacon Vol. 41