研究課題
研究の目的この研究の目的は水管理組合が効率的かつ公正な水管理に果たす役割を研究することである。1)南インド・タミルナドゥの伝統的溜池灌漑の管理システムを研究し、水利用効率の向上に示唆を与える。2)環境資源管理が貧困削減へ果たす役割を考察し、地域の水資源管理に示唆を与える。平成17年度は南インドのタミルナドゥ州において溜池灌漑地域において社会経済学的フィールド調査を実施し、主に溜池灌漑の水管理組織および農民に対する聞き取り調査を行なった。具体的な研究計画は以下の通りである。研究方法平成17年度はインド・タミルナド州南部の20箇所の溜池農村(マドライ郡、シバガンガ郡、ツルネルベリ郡、ビルドゥナガル郡、テニ郡)について溜池管理組合の管理レベルについての調査、各溜池について20農家における生産状況等の家計調査を実施した。平成17年の農業シーズン(2005-2006稲作シーズン)は昨年の旱魃とは打って変わり、降雨量は平年以上で多くの溜池に水が入り、決壊状態の溜池もあった。研究成果今年の調査の重点は多雨期の溜池管理組合および各農家レベルの対応を調査することであった。各家計は平年並み以上の雨の恩恵により、農作物の生産は旱魃年であった昨年に比較して持ち直したところが多かった。大雨の影響で灌漑溜池は一部メンテナンス不足による決壊が発生し、修復作業のために農民が労働供給し、管理組合が修復費用を捻出しなければならない所等もあった。
すべて 2005
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Spatial Aspects of Environmental Policy (THE INTERNATIONAL LIBRARY OF ENVIRONMENTAL ECONOMICS AND POLICY)(Hampshire, UK : Ashgate publishing).
ページ: 5-27