研究課題
18年度は「高齢農業者の生産等活動環境とその整備計画の解明」を目的とし、以下のサブ課題を年度当初に設定し、実施した。I.高齢化に対応した農村整備計画手法:(1)生産等の活動空間類型(17年度成果による生産活動空間)、(2)物的整備による環境改善とその限界、(3)高齢化の進行度合いによる地域課題の推移などの視点からの検討を設定したが、視点(2)、(3)はサブ課題且に係わりが大きいためIIに含めた。(1)の視点による地域診断と対策に当たって、農村の立地区分を「地形傾斜」と「都市までの距離」による地域区分(急傾斜山村、緩傾斜農村、都市近郊農山村)とし、各区分別の実態と対策を検討し、急傾斜山村では関連施設へのアクセス性改善、緩傾斜農村では農道ターンエ法等の省力・安全性配慮の農業生産基盤整備、都市近郊農山村では都市高齢者交流を考慮した各種施設のバリアフリー化等の整備視点を摘出・整理した。また、整備計画策定の根拠理念を検討し、都市や自然と共生する「農村地域環境の豊かさと農村社会の持続」を提示し、そのために必要な農村の情報化とその利活用の観点を含めて、論点整理を行った。II.高齢化の進行に伴い顕在化する問題の分析:高齢化率などを指標とする地域問題の推移構造の定量的な解明を当初設定したが、農村における高齢化率の経時的な推移の資料収集に難航したため、全国紙である朝日新聞を事例として、農村の高齢化に関する取組状況を掲載記事から検討した。新聞記事データベースで検索可能な最近の23年間を対象に、「農業&農村&高齢化」で該当する448件の記事を抽出した。記事に頻出するキーワードを摘出・整理し、同時掲載数により問題や対策のキーワード配置を行うとともに記事構造を4区分し、それらに基づき、主要なキーワードによる農村高齢化に対する問題と対策の連鎖構造があることを明らかにし、対策から派生する問題や対策の効果阻害問題の連鎖を絶つことの重要性を指摘した。あわせて、高齢化が進行する農村地域管理の点から持続的な土地利用の観点による接近の必要性を示した。
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すべて 雑誌論文 (6件)
農業土木学会大会講演会要旨集 平成19年度(2007.8 印刷中)
農業土木学会大会講演会要旨集 平成18年度
ページ: 440-441
農業土木学会中四国支部講演会要旨集 第61回
ページ: 30-32
農村計画(農業土木学会農村計画研究部会編,ISSN 0914-8671) 34・1
ページ: 1-1
ARIC情報((社)農業農村整備情報総合センター,ISSN 1340-7813) 84
ページ: 21-28
ページ: 27-29