研究概要 |
21世紀は食料と環境の時代と言われ,農村は自然環境との調和が求められ,農村の持つ多面的機能が評価されている。農業においては安全・安心な食料生産が求められている。その中で循環型畜産では,家畜の他に土と水と植物(飼料作物)ならびにそれらの管理作業との連携した形での評価手法が課題である。 そこで,本研究では,既存の管理体系から化学肥料を使用しないで家畜ふん尿のみによる飼料生産体系への移行期において土環境,水環境,植物環境,生物生産情報それぞれについて検討と評価を行い,環境保全型の圃場管理方法ならびに指標の提案を行うことを目的としている。 今年度は,調査試験対象地として資源循環型農業を計画実施し,有機牛肉生産を実施している青森県の横浜牧場を中心に以下の項目について研究を行なった。 1、水環境の把握:牧場場内ため池と周辺河川ならびに放牧草地において降水量,流量,地下水,水質を調べ,水文水質学的見地からの実態を把握した。 2、土壌・植物環境の把握と空間データのモデリング:圃場情報の中でも,草丈や収量などの作物の生長量,土壌特性などの情報を入手した。 3、ラジコンヘリによる空撮システムの開発と評価:ラジコンヘリとステレオ撮影による簡易4バンドカメラシステム開発し,試験飛行の準備を行なった。 4、循環型畜産における物質収支の把握と評価:試験対象牧場での堆肥,乾草などの処理と利用の実態を調べ,物質収支を把握した。
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