研究課題
基盤研究(C)
側窓を装備しない大型フェンロー温室の換気率が、側窓および天窓を装備する従来型の温室の換気率よりもかなり小さいことが指摘されている。この原因を明らかにする目的で、側窓の有無が換気性能に及ぼす影響について実験的に調べ、以下の結果を得た。1)天窓および側窓を装備した従来型の小型温室を供試し、換気窓の総開口面積(天窓開口面積+側窓開口面積)が同じ場合について、側窓と天窓の開口比が換気率に及ぼす影響を調べた。その結果、総開口面積が同じ場合でも、天窓と側窓の両方を開口した場合の換気率は、天窓のみを開口した場合の換気率の1.5〜5倍となり、側窓の有無が換気率に大きく影響していることが示された。これは、側窓の開口により、側窓から流入した空気が暖められて天窓から排出する、いわゆる煙突効果が促進されることによるものと考えられた。2)側窓の影響を調べるため、天窓および側窓を装備した中型フェンロー温室を1ha規模の温室の一部と見なし、天窓全開時に片側のみの側窓を開閉させて、温室内気温への影響を調べた。風下側側窓を開けることによって、開けた側窓側の室温が低下した。また、風上側側窓を開けた場合も、同様に開けた側窓側の室温が低下した。このことから、室内の循環流パターンに違いはあると予想されるが、いずれの屋外風向の場合にも、側窓を開けることによって側窓側の室温が低下することが示された。また、熱収支法で求めた換気率は、側窓付近で急激に高くなる傾向が見られた。このように側窓を開けることによる換気促進が示されたものの、その影響は、側窓から20mぐらいまでとみられた。以上より、側窓を開口することによる換気率促進が確認されたが、大規模温室では側窓から中心部に向かうに伴い、その効果は減少した。
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