詳細な生産履歴情報を記録することは農業生産現場における適正規範遵守に役立ち、職の安全安心のための各種ナビゲーションシステムにとっても重要である。本研究では圃場作業履歴情報を自動記録の方策にICチップ(RF-ID)を利用し大巾な省力化をめざすものである。初年度のRF-RDに関する基本調査および農業現場への適応ニーズ調査、農薬など食の安全ナビゲーションへの適応可能性などの検討結果を基に本年度はこれらのシステム化に関する検討を中心に行った。またニーズの高い農薬適正使用ナビゲーションへの適応可能性を検討した。さらに位置同定アルゴリズムに関する研究やRF-IDタグによる作業自動記録システムの基本検討、センシング対象別ICタグの利用による圃場内作業情報記録システムの基本概念を検討した。次年度以降システムの完成とデータ分析システムを付加し、最終的にはRF-IDセンサベースによる圃場作業履歴管理に関する研究開発を3ヶ年で行うものである。 17年度(〜平成18年3月31日)の研究実績としては以下の内容である。 1)RF-IDタグを利用した農業現場の各種ナビゲーションシステムの研究 既存のICタグの性能やUHF帯RF-ID国内の開発状況および海外の適用事例の収集(スエーデン)などRF-IDの概要調査を行った。 2)RF-IDタグの圃場空間への配置とセンシング方策について、MAPベース配置法、拠点配置法、農作業対象物配置などと情報アクセスおよび位置詳細化・同定アルゴリズム、ID割り振りなどについて前年の研究につづき、システムの全体構想を明確化するための検討を進めた。 3)圃場空間の履歴データの収集システムについて検討し、RF-ID読み取りデータおよびフィールドサーバーを利用したデータ転送方法、携帯GPS位置データとの連携補完について研究し、無線LAN経由でサーバーにRF-IDの収集方法を実験し検討した。 4)RF-IDによる位置同定アルゴリズムとタグ認識ソフトの設計開発、方位や速度位置認識のアルゴリズム開発を行った。またセンシング上の障害などの課題抽出を行った。
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