農産物の品質や安全性に対する消費者ニーズが非常に高まっており、個々の農産物に対する詳細な生産履歴情報が求められている。履歴管理には流通のトレーサビリティとISO22000が基準とする作業現場安全やリスク認知を含むGAP(適正農業規範)がる。本研究では、個々の農産物の生産段階の圃場作業履歴情報を小型費接触ICチップ(RF-ID)やGPSなどのセンサ群とフィールドサーバを利用し自動的・省力的に収集しこれらのための情報収集と同時に、栽培管理や個別作業の最適化・効率化など圃場から得られる情報の高度利用をめざすことを研究の目的とする。 18年度は最終年度であるためRF-IDの農業への適用を総合考察するための調査、食の安全に関する分野としてGAP(適正農業規範とRF-IDの適応、特に作業記録の個別ケースについても追加的に調査した。 18年度までの研究実績としては以下の内容である。 1)RF-IDタグの農業現場への適応方法と情報アクセスに関する研究 既存のICタグの性能やUHF帯RF-IDの国内の開発状況および海外のポストハーベスト適用事例集などRF-IDの追加概要調査を行いこの研究のための基本情報の収集を行った。 2)UHF型RF-IDタグの圃場空間への配置とセンシングの方策について、開発途上の防水タグ、金属属対応タグなどについて課題を抽出した。 3)圃場空間の履歴データの収集システムについて検討し、RF-ID読み取りデータおよびフィールドサーバ環境データ、携帯GPS位置データを無線LAN経由でサーバに収集する全体システムの概念設計を検討した。 4)GAPとRF-ID利用についてシステム概念を検討した。 5)作業履歴データとデータマイニングの方式を検討した。
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