研究課題
まず、コンテナ内から果実を正確に取り出すロボットの開発を行った。従来のロボットでは、事前に果実をコンテナ内の所定の位置に並べておき、一列分の吸着パッドを有したく多間接ロボットにより、中間ステージに果実を取り出していた。しかし、この手法では、生産者がコンテナ内に果実を1個ずつ詰める労力の問題や、吸着不良の問題があった。これに対して、小型の吸着パッドを多数設置したロボットを開発し、コンテナ内にランダムに入れられた果実を、1個でも吸着してコンテナから取り出すことを可能とした。次に、多品目を扱う画像処理システムとして、トマトとナスを対象とした画像処理アルゴリズムの検討を行った。現状の市場流通におけるトマトの品質評価基準は、形状評価が極めて重要であることが分かった。これに対して、種々のアルゴリズムの検討を行った結果、上面および側面の画像情報に対して、6つの形状評価アルゴリズムを適用し、複合的な結果基づいた判定を行うことで満足のいく選果を実現することができた。また、ナスの評価においては、形状の他に、傷、ガク異常とボケ果の認識が重要であることが分かり、各種画像処理アルゴリズムを検討した。また、これらのワークは果実表面の光沢が強く、照明によるハレーションの問題が懸念された。これに対して、PLフィルターを装着したDL(エスアイ精工製)を用いることで、ハレーションを防止し、果実の色的特徴をコントラスト良く忠実かつ再現性よく捉えられるこができた。一方、ハロゲンランプを光源とした照明では、光源の発熱の問題や、ランプ寿命,消費電力など問題点もあった。これに対して、LEDを用いたDLを検討し、試作機が完成した。今後は、LED照明の各ワークへの適応性を検討していく。最後に、トレーサビリティのシステム構築を検討した。ここでは、箱単位毎のトレーサビリティを実現するために、箱内に含まれる果実の「生産者」「等階級」「選果時間」などの選果情報を蓄積可能とするデータベースシステムの構築を行った。さらに、これらの情報をインターネットで検索できるシステムも開発した。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Proceedings of the Society for Engineering in Agricultural, Food, and Biological Systems. USA 17-20 July
ページ: Paper Number 056094
Proceedings of Automation Technology for Offroad Equipment, ASAE 7-8 October
ページ: 387-393
ページ: 394-398
ページ: 399-404