研究課題/領域番号 |
16580220
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
石井 泰博 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 教授 (90015090)
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研究分担者 |
野村 義宏 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 助教授 (10228372)
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キーワード | ケラチン / ゼロエミッション / 廃棄毛 / ケラチナーゼ / Microsporum canis / 羽毛 |
研究概要 |
畜肉生産に伴い発生する獣毛・羽毛の大部分は産業廃棄物として処理されているが、リサイクル法の施行に伴い、畜肉生産においても廃棄物をなくすゼロエミッションを目指す必要がある。しかし、牛海綿状脳症、口蹄疫、トリインフルエンザや重症急性呼吸器症候群の発症以来、家畜系原料を用いた製品に対する消費者の忌避は非常に強く、獣毛や羽毛の資源化において大きな障害となっている。本研究では、これらの障害となっているクローン病やウィルスを除去可能な処理を行い、廃棄毛から有用なケラチン成分を調製し、その利用特性を明らかにする。特に、シャンプーやリンスに代表されるヘアケアー製品への応用を念頭に研究を行う。すなわち、低コストで分子量の小さいケラチンペプチドの製造法の確立、およびダメージヘアーの改善効果に絞って研究を行う。平成16年度の研究で、Microsporum canisの生産するプロテアーゼに着目し、その特異性について検討を行った。その結果、40〜60℃で活性を示し、分子量50〜60kDaのメタロプロテアーゼである事を認めた。窒素代謝に関わり、タンパク質の発現を制御する遺伝子欠損株を作製した結果、プロテアーゼの生産力を制御する事を認めた。この事により、これら遺伝子を操作する事により、プロテアーゼ産生量を制御できる可能性が示唆され、論文投稿準備中である。 ケラチンを簡便な方法で加水分解する試みも行っており、試験的に水鳥羽毛を弱アルカリ溶液中で、加圧・短時間処理することで、臭いの少ない可溶化ケラチンの調製が可能となった。この結果は特許として出願準備中である。
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