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2007 年度 実績報告書

空間的に不均一な植生に対する放牧家畜の採餌戦略の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16580222
研究機関宮崎大学

研究代表者

平田 昌彦  宮崎大学, 農学部, 教授 (20156673)

キーワード放牧家畜 / 採食行動 / 空間的不均一性 / 選択採食 / 採餌戦略 / パッチ / 報酬 / 個体差
研究概要

1.多種類パッチの選択
草地に,再成長期間と施肥量の異なる9種類のパッチを創出し,放牧牛によるパッチ選択を調査した。放牧牛は,パッチへの訪問とパッチでの滞在の2段階の選択過程を通して,多種類のパッチ条件下でも好みのパッチを選択する能力を備えていることが明らかになった。
2.パッチスケールでの採餌戦略のメカニズムのモデル化と質的報酬の解明
パッチスケールでの採餌戦略(パッチ選択)のメカニズムをモデル化した。モデルでは,まず,パッチ植生の量的・質的特徴に関わる変数の値が動物にとっての価値に変換され,次に,異なる変数に基づく動物にとっての価値が相互に比較できる形に変換・統合された結果としてパッチの総合価値が決定され,最後に,パッチの総合価値に基づいて動物がパッチを選択する。モデルの概念にもとづき,9パッチ試験(平成19年度)からのデータを用いて,パッチの総合価値の実際の計算過程を決定した。さらに,4パッチ試験(平成17年度)および6パッチ試験(平成18年度)からのデータを用いてモデルを検証した。この結果,作成されたモデルは放牧牛によるパッチスケールでの採餌戦略(パッチ選択)を予測することができると判断された。また,パッチ選択の質的報酬は粗タンパク質含量であるとみなされた。
3.その他
採食地点の選択・利用は,パッチよりも空間スケールが小さくなると,植生価値(量,質,種構成など)では十分に説明できなくなったことから,小空間スケールでの採食地点の選択には,植生価値の他に,非植生価値(放牧施設,地形など),動物の認識能力・探査習性,社会的関係,選択ミスなどが関与している可能性が示唆された。また,暖地型イネ科2草種のパッチに対する放牧牛の選択において,上述と同様に,粗タンパク質含量をパッチ選択の1つの報酬として特定した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Selection of feeding areas by cattle in a spatially heterogeneous environment: selection between two tropical grasses2008

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Hirata
    • 雑誌名

      Journal of Ethology 26(電子版)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of herbage mass on the selection and use by cattle of fine-scale locations in a progressively grazed tropical grass pasture2007

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Hirata
    • 雑誌名

      Grassland Science 53

      ページ: 226-239

    • 査読あり
  • [学会発表] 暖地型イネ科草地における放牧牛のパッチ選択:再成長期間および施肥量の異なる6つのパッチに対する選択2008

    • 著者名/発表者名
      平田 昌彦
    • 学会等名
      日本草地学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-03-25
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 暖地型イネ科草地における放牧牛のパッチ選択:再成長期間および施肥量の異なる9つのパッチに対する選択2008

    • 著者名/発表者名
      平田 昌彦
    • 学会等名
      日本草地学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2008-03-25
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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