研究課題/領域番号 |
16580226
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研究機関 | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
研究代表者 |
田中 正仁 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・畜産飼料作研究部, 研究室長 (00355695)
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研究分担者 |
岩間 裕子 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・畜産飼料作研究部, 研究員 (10355696)
神谷 充 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・畜産飼料作研究部, 研究員 (20355697)
丸山 篤志 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 研究員 (90355652)
大場 和彦 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・環境資源研究部, 研究室長 (50343950)
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キーワード | 乳牛 / 暑熱環境 / 体感温度 / 暑熱対策 / リスク評価 |
研究概要 |
九州沖縄地域の農業生産額は全国生産額の約20%を占め、畜産関連がその3割を占めており、重要な産業となっている。しかし、近年の地球温暖化に伴って夏日や真夏日、さらに35℃を越えるような日最高気温を記録する熱波日が6月下旬から出現する場合がある。そのため、九州地域内における乳牛舎で実施されている暑熱対策等の効果について検討する必要がある。本研究は九州等の高温危険地域における高温被害を回避・軽減できる畜舎・家禽舎の構造と飼養管理法を明らかにするため、畜舎構造の異なる畜舎環境と防暑対策による効果を測定した。本年度に得られた結果は次の通りである。8月23日の気象要素と湿度に対する体感温度および風速に対する体感温度の経時変化を示す。湿度に対する体感温度は噴霧前では0.5から1.0℃程度噴霧ありの場所の方が高くなっている。これは噴霧を行っていない時間帯でも噴霧ありの場所の方は相対湿度が高いことが原因である。噴霧開始後は噴霧ありの場所の気温(乾球温度)の低下により湿度に対する体感温度は噴霧ありの場所の方が1.5℃前後低くなった。また、噴霧ありの場所では湿球温度も下がっており、これは相対湿度上昇よりも乾球温度低下の方が体感温度に対して強く影響していることを示している。風速に対する体感温度は噴霧前ではほぼ同じ値であるが、噴霧開始後は噴霧ありの気温(乾球温度)の低下により噴霧ありの場所の方が3.5℃前後低くなった。体感温度は湿度に対するもの、風速に対するもの両方ともに噴霧を行うことにより、下がる。その度合いは湿度に対する体感温度では約1.5℃、風速に対する体感温度では約3.5℃であり、両方を合わせて約5.0℃分の体感温度が噴霧より下げられたことになる。湿度に対する体感温度の結果では暑熱対策として牛舎3の噴霧は不十分であるという結果であるが、それでも噴霧が体感温度を大きく低下させることは明らかであり、暑熱対策として有効であることが示された。
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