研究課題
基盤研究(C)
研究の概要本研究においては、ウシのプロラクチン関連タンパク質-Iに注目し、この組換えタンパク質を作成するところから開始した。組換えPRP-Iは、分子量33000のタンパク質として発現した。AP-PRP-Iは分子量約80000のAPと約30000のPRP-Iが融合した110kDaのタンパク質として発現した。肝臓の組織を用いてin situ APアッセイを実施すると、AP-PRP-Iは肝細胞に直接結合するのではなく、細胞間隙の領域に強く結合した。同時に実験したAP-PL(AP-胎盤性ラクトジェン融合タンパク質)は肝細胞に結合しており、PL,とPRP-Iでは同じプロラクチンファミリータンパク質でも標的細胞が異なっていることが示された。PRP-IとIV型コラーゲンの結合は用量依存的であったが、結合量に与える影響は、反応系に添加されたPRP-Iよりも、固相に吸着させたIV型コラーゲンの方が大きかった。PRP-IとIV型コラーゲンの結合は、イオン強度に比例して結合が増大した。この事から結合には疎水性の分子間相互作用が関与していることが伺われた。IV型コラーゲンを構成するNC1、トリプルヘリカル、7Sの各ドメインを調製して、これらとPRP-Iとの結合を調べたところ、PRP-Iは7Sドメインに結合した。さらに、PRP-IとIV型コラーゲンの結合は、反応系に7Sドメインを添加する事によって拮抗された。以上の成績から、PRP-IとIV型コラーゲンの相互作用には、IV型コラーゲンN末端側の7Sドメインが関与している事が示唆された。これらの成績から、PRP-Iは胎盤の栄養膜細胞で産生された後に、近傍の細胞外マトリックスに捕捉される事が示唆され、マトリックス改変とともに遊離して作用を発現する事が伺われた。PRP-Iのこのような性質は、作用部域と作用時期を特定し、作用局所濃度を維持する意味があるものと推察され、着床と胎盤形成が子宮内の限局された部域でのみ行われる反翻類の胎盤形成に重要な役割を果たしているものと思われた。
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