• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

進化的に保存された新規な蛋白質PSPが乳腺上皮の分化増殖と脂肪酸輸送に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 16580241
研究機関鹿児島大学

研究代表者

松元 光春  鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30157383)

研究分担者 岡 達三  鹿児島大学, 農学部, 教授 (50116795)
キーワードPSP / 乳腺 / マウス / 生後発達 / 分化増殖 / 脂肪酸輸送 / ERとPgR / 免疫組織化学
研究概要

本研究では、進化的に保存された新規な蛋白質PSP(過塩素酸可溶性蛋白質)が乳腺上皮細胞の分化増殖と乳脂肪の合成にどのような役割を果たしているのかを免疫組織化学的および組織計測学的ならびに生化学的に解析し、乳腺におけるPSPの機能を解明することを目的とした。得られた成果は以下の通りである。
1.泌乳期乳腺におけるPSPの脂肪酸輸送の動態を授乳後の経時的変加として免疫組織化学的および免疫電顕的に検索したところ、授乳後10分では乳腺上皮細胞内の脂肪的周囲とアポクリン突起が強い陽性を示し、20分後には腺腔内の脂肪粒周囲も強い陽性を示したことから、PSPが脂肪酸輸送に深く関与し、乳汁成分として新生児に移行している可能性も示唆された。
2.妊娠、泌乳、離乳といった生殖周期における乳腺内のERとPgRの局在を検索したところ、上皮細胞の核に陽性反応がみられたが、周期特異性は認められなかった。PCNAによる細胞増殖率は妊娠期で高く、ssDNAによる細胞死は泌乳末期から離乳初期に多かった。PSPが分化した乳腺上皮細胞の核に強く反応することから、ERとPgRとの関連性は少ないことが示唆された。
3.生後10日齢から90日齢までの乳腺におけるPSPの局在を観察したところ、10日齢で血管内皮細胞および多房性脂肪細胞に、20日齢以降上皮細胞に陽性がみられた。ERおよびPgRの局在を検索したところ、ERは日齢による特異的発現はみられなかったが、PgRは30日齢以降高い陽性率がみられた。PCNAによる細胞増殖率をみると、20日齢で最大となり以後斬減した。ssDNAによる細胞死は日齢による変化はみられなかった。これらのことからPSPは乳腺実質の発達に先駆けて血管構築にも関与していることが示唆された。
4.マウスの乳腺から抽出したPSPのアミノ酸配列をシークエンスしたところ、肝臓型PSPと全く同じ配列であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Perchloric acid-soluble protein is accumulated in nuclei by ER-stressors.2005

    • 著者名/発表者名
      Kanouchi H.
    • 雑誌名

      Memoirs of the Faculty of Agriculture, Kagoshima University 40

      ページ: 17-24

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Percholoric acid-soluble protein regulates cell proliferation and differentiation in the spinal cord of chick embryos.2005

    • 著者名/発表者名
      Himeno E.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 579

      ページ: 2416-2420

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Nuclear transfer of perchoric acid-soluble protein by endoplasmic reticulum stressors.2005

    • 著者名/発表者名
      Kanouchi H.
    • 雑誌名

      Protein Science 14

      ページ: 2344-2349

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi