研究課題
1.野外で採取したヤマトマダニからハムスター吸血中の唾液腺を採取、mRNAを抽出してcDNA libraryを作製した。2.ハムスターを吸血させた野外採取のヤマトマダニ成虫を25℃で維持して産卵させた。孵化した幼ダニをヤマトマダニ由来Ehrlichia(HF565)を接種したマウスにつけ、吸血させた。脱皮後の若ダニ30匹のHF565保有の有無をPCRで調べたが、すべて陰性であった。また、脱皮するダニの割合が、正常マウスを吸血させた場合に比べて低く、ダニに対してもHF565がなんらかの影響を与えている可能性も伺われた。3.マウス以外の宿主の可能性を検討するため、ラットにHF565を接種し、接種後4週目まで1週間ごとに血中への出現をPCRで調べた。その結果、2週目までは血中に出現するが、その後、陰性に転じた。また、HF565の大量投与にもかかわらず、ラットは死亡しなかった。肝・脾のHF565の検出ならびに病理所見については、現在、検討中である。4.SPFビーグル犬3匹にHF565接種マウスの肝・脾10%乳剤を静脈内接種し、毎日観察をすると同時に週1回採血を行ない、PCRで血中への出現を調べた。接種後4週まで調べたが、臨床所見に変化はなく、PCRも陰性であった。2匹のイヌには、4週後にプレドニゾロンを投与し、改めてHF565を接種したが、その後も変化はみられなかった。病理所見も異常はなかった。5.SPFビーグル犬1匹にEhrlichia canisを接種し、シュルツマダニの若虫を吸血させ、脱皮後の成ダニについてE. canisの保有の有無をPCRで調べたが、30匹すべて、陰性であった。6.E. canis接種犬の末梢リンパ球がIFN-γを産生することで感染を防御することをin vitroで証明した。7.野生鹿の血中に新種のEhrlichiaをPCRで検出した。
すべて 2006 2005
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