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2004 年度 実績報告書

S.hyicus表皮剥脱毒素の標的蛋白の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16580258
研究機関北里大学

研究代表者

前原 信敏  北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (90072371)

研究分担者 佐藤 久聡  北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (40154083)
キーワードStaphylococcus hyicus / 表皮剥脱毒素 / 標的蛋白 / デスモグレイン / セリンプロテアーゼ
研究概要

ブドウ球菌の一種であるStaphylococcus hyicusは子ブタに滲出性表皮炎を引き起こす。本疾病の特徴的な臨床症状(滲出物、水疱、皮膚剥離、痂皮形成)は本菌が産生するS.hyicus表皮剥脱毒素(SHET)により生じる。SHETはブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の原因毒素であるS.aureus表皮剥脱毒素(ET)と同様にその分子中にセリンプロテアーゼのモチーフを有するが、カゼイン分解能を有さないため、その標的物質(もしくは基質)は特殊な蛋白であることが推測されている。ETにおいてはデスモゾーム構成蛋白であるデスモグレイン1(DSG1)が標的物質であることが分かっているが、SHETの標的物質については未だ解明されていない。
S.hyicus表皮剥脱毒素血清型A(SHETA)および血清型B(SHETB)は1日齢ニワトリひなの皮膚からEDTAにより抽出した液中の分子量40 kDaの蛋白(P40)にのみ結合した。SHETAおよびSHETBは毒素感受性動物であるニワトリひなおよび子ブタ由来のP40ならびに非感受性動物である哺乳マウス由来のP40の何れにも結合した。また、ニワトリP40に対する抗体はニワトリP40、ブタP40およびマウスP40の何れとも反応した。しかし、SHETAおよびSHETBはニワトリP40を切断したが、マウスP40を切断することはできなかった。ニワトリP40は等電点電気泳動において3つの主要バンドを形成した。2番目のバンドを形成したP40-2のアミノ末端のペプチドシーケンスはALGQDLEKKLとなり、ウシ、イヌ、ヒトおよびマウスDSG1の細胞外ドメイン中の73残基から82残基までのシーケンスと高度に合致した。また、P40-2の等電点は4.7であり、各種動物のDSG1のそれと一致した。これらの知見はSHETの標的物質が感受性動物のDSG1であることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Analysis of target protein of Staphylococcus hyicus exfoliative toxins (SHETs)2004

    • 著者名/発表者名
      Hisaaki SATO
    • 雑誌名

      The Waksman Foundation of Japan Inc. Report of Researches in 2003

      ページ: 29-38

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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