研究課題
平成17度の研究によって、正常犬の精巣由来RNAから、LH受容体cDNAの5'側の一部を除く2123bpのクローニングに成功した。その過程で、正常犬および潜在精巣罹患犬の両方において、細胞外領域のアミノ酸25個の欠失したスプライスバリアントを見い出した。正常犬1頭(グレートデン)において、同受容体cDNAの927番目の塩基はCとTの混合型を、984番目の塩基はAとGの混合型を、1946番目の塩基はAを示した。もう1頭の正常犬(ポメラニアン)において、927番目の塩基はCを、984番目の塩基がAとGの混合型を、1946番目の塩基はGを示した。潜在精巣罹患犬6頭(コーギー、ミニチュアダックスフンド、チワワ、ペキニーズ、グレイハウンド、バーニーズ)について調べたところ、927番目の塩基はC(2頭)、T(3頭)、または両者の混合型(1頭)を、984番目の塩基はA(1頭)、G(4頭)または両者の混合型(1頭)を示した。雄性仮性半陰陽罹患犬1頭(ワイマラナー)において、927番目の塩基はCとTの混合型を、984番目の塩基はGを示した。潜在精巣罹患牛1頭(ホルスタイン)において、LH受容体cDNAの703番目の塩基がCとAの混合型を、アミノ酸はグルタミンとリジンの混合型を示し、正常牛のものと異なっていた。また、潜在精巣罹患牛のLH受容体cDNAの1836番目の塩基がTからCに変化していた。結論として、正常犬の精巣由来RNAから、5'側の一部を除くLH受容体cDNA(2123bp)をクローニングできた。クローニング完了部位において、他の動物種では報告されていない新しい種類のスプライスバリアントの存在が明らかとなった。潜在精巣罹患犬の半数以上において、膜貫通領域に含まれる2つの塩基が正常犬のものと異なっていた。潜在精巣罹患牛において、LH受容体の細胞外領域のアミノ酸が混合型であり、正常牛のものと異なっていた。
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