研究課題
中度好塩菌Halomonas由来のnucleoside diphosphate kinase (HaNDK)は好塩性を示し、通常細菌Pseudomonas由来のホモログNDK (PaNDK)は示さない。またHaNDKは2量体、PaNDKは4量体構造をとる。両酵素のC-末端付近の配列を比べると、HaNDKでは酸性アミノ酸であるGlu-Glu配列があるが、PaNDKではここがAla-Ala配列である。そこでC-末端付近に存在するこのGlu-Glu配列と、サブユニット構造、および好塩性との関係を詳細に調べた。HaNDKのGlu-Glu配列を部位指定変異によりAla-Alaに変換したところ(HaNDK/EE)、この変異体は4量体構造を示した。また、逆にPaNDKのAla-Ala配列をGlu-Gluにしたところ、この変異体は2量体構造を示した。さらに、1つめのアミノ酸残基のみを変異させたところ、134番目を入れ替えるだけで、2量体-4量体変換が起こった。135番目の残基の変異は、サブユニット構造には影響しなかった。すでに結晶解析が報告されているMyxococcus由来のNDK (MxNDK)の構造を基にしてモデリングを試みた結果、134番目のがGluの場合には、2量体間の相互作用がこのGluのマイナス荷電の反発で弱められ、4量体構造がとれないと推定された。また、このGlr-Glu配列のAla-Ala配列への変換による好塩性への影響も調べた結果、好塩性が減少していることが明らかになった。
すべて 2008
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FEBS Lett 582
ページ: 1049-1054