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2005 年度 実績報告書

NMR,X-RayおよびCSI-MSによる生体分子の溶液動態の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16590002
研究機関千葉大学

研究代表者

関 宏子  千葉大学, 分析センター, 助教授 (60114245)

キーワード分子間相互作用 / 分子拡散 / PFG-NMR / CSI-MS / 水素結合 / ステロイド化合物 / クラスター
研究概要

前報(Tetrahedron,60,2004,3487-3492)で5種類のステロイドを単結晶X線解析、CSI-MS、自己拡散測定(BPP-STE)し、Narcissistic(自己会合)を報告した。更に相互作用のない化合物での検量線と比較し、定性的に水素結合の影響を観測した。今回は12種にステロイド化合物を増やし、単結晶X線解析(固体状態)とCSI-MS(弱い相互作用を観測できる)の結果から分子構造と水素結合の相関パターンを(1)強い水素結合をもつグループ(2)弱い水素結合をもつグループ(3)水素結合無しの3つにグループわけできた。しかし自己拡散測定からは、水素結合の数が多いほど自己拡散係数が小さくなるという予想に反して、水酸基の数にかかわらずある法則に従って拡散係数が低下することが証明できた。この結果は、水素結合をするものとしないものとで二極化するという非常に興味深いものと言える。またステロイド以外の水素結合などによる連鎖構造の有無の評価法として、本法が有効であることも分かった。(論文1)
次に異種分子間相互作用観測の為に、同程度分子量の混合溶液(グルコース、ベンゾフェノン、デカン酸メチル)の解析を2次元拡散測定(DOSY)法で行い好結果を得た。分子量同程度のステロイド化合物(エストロンとエストラジオール)のDOSY測定でも、みごとに分離することが分かったので、更に検討中である。(未発表)
塩基と酸(有機酸・無機酸)とで様々な複合体を形成する。ビスグアニジノベンゼン-安息香酸と1:1〜1:4の複合体を合成し、単結晶X線解析、CSI-MS及び自己拡散測定により、化学量論比に正確に従う複合体形成を見いだした。(論文2)既存のLA600をECA600に改造し高速固体NMR測定が可能となったので、これらの複合体について溶液・固体NMR両面から分子間相互作用を検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Absolute Ordered Cluster Formation of an o-Bisguanidinobenzene-Benzoic Acid Complexes2006

    • 著者名/発表者名
      K.Kawahata
    • 雑誌名

      Chem.Pharm.Bull. 54・1

      ページ: 147-148

  • [雑誌論文] Intermolecular Hydrogen Bonding of Steroid Compounds : PFG NMR Diffusion Study, Cold-Spray Ionization (CSI)-MS and X-ray Analysis2005

    • 著者名/発表者名
      K.Shikii
    • 雑誌名

      Chem.Pharm.Bull. 53・7

      ページ: 792-795

  • [雑誌論文] Observation of Water Molecules Bound to a Protein Using Cold-Spray Ionization Mass Spectrometry2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Sei
    • 雑誌名

      Anal.Sci. 21

      ページ: 449-451

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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