茜草根より新規化合物RA-XIX〜RA-XXIVの単離と構造決定 茜草根(アカネRubia cordifolia L..の根)よりメタノールエキスを調製し、水/有機溶媒による分配操作、結晶化、各種クロマトグラフィー等により分離精製したところ、6種の新規環状ヘキサペプチド化合物RA-XIX〜RA-XXIVが得られた。MS、NMRスペクトルを解析してこれらの構造を推定し、RA-VIIの減成反応により得られたシクロイソジチロシンからの半合成、既知化合物との化学的関連付け、X線結晶解析等により絶対構造を明らかにした。いずれもRA-VIIもしくはdeoxybouvardinの類縁体であり、RA-XIXはロイシン、RA-XXおよびRA-XXIは2-アミノ酪酸、RA-XXIIはスレオニン、RA-XXIIIおよびRA-XXIVはグルタミンをそれぞれ残基2に有することにより特徴付けられた。これらの化合物はRA-VIIより弱い細胞毒性(P-388)を示した。 ヘキサ-N-メチルRA-VIIの合成 RA-VIIを相間移動触媒存在下、ジクロルメタン中粉末水酸化ナトリウムとヨウ化メチルにて処理したところ、構成アミノ酸の6箇所の不斉炭素の立体配置を保持したまま、全てのアミノ酸残基がN-メチル化されたアナログを得ることができた。NMRスペクトル法および臭化物のX線結晶解析により配座解析を行ったところ、天然のRA類にはみられないユニークな構造を有していることが明らかとなった。本アナログはP-388細胞に対し、弱い細胞毒性を示した。
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