研究概要 |
茜草根より新規RA系ペプチドの単離と構造決定茜草根(アカネRubia cordifolia L.の根)より8種の新規環状ヘキサペプチドRA-XVII〜RA-XXIVを単離した。スペクトル解析により構造を推定し,X線結晶解析,化学的手法により証明した。これらの化合物は残基1,2,6が修飾されたRA-VII類縁体であり,RA-VIIに比べ弱い細胞毒性(P-388)を示した。N-メチルシクロイソジチロシンおよびN,N'-ジメチルシクロイソジチロシンの合成市販の3-ヨード-L-チロシンより天然RA類およびそれらのアナログ合成に必要となる表記中間体の効率的な合成法を確立した。RAアナログのデザインと合RA-VIIの活性配座構造の維持に重要な因子を明らかにするために,D-Ala-1,Ala-2,およびAla一4をそれぞれGlyで置き換えたアナログ,D-Ala-1の側鎖メチル基を伸長したアナログ,Ala-2を芳香族アミノ酸に置き換えたアナログ,Tyr-3の芳香環側鎖の配向を固定したアナログ,Tyr5のデス-N-メチルアナログ,Tyr-6の芳香環に置換基を導入したアナログ,および全てのアミノ酸残基がN-メチル化されたアナログを合成した。NMRスペクトル,X線結晶解析等による配座構造解析,細胞毒性試験の結果から,D-Ala-1のアルキル側鎖は配座異性体の構造と存在比に影響しないが,Ala-2,Ala-4のメチル基およびTyr-5のN-メチル基は活性配座構造の維持に重要であること,残基2側鎖への芳香環の導入はメチル基と比べると活性を低下させること,Tyr6の芳香環への置換基の導入は,活性を低下させること,3箇所のアラニン残基へのN-メチル基の導入は,配座構造を大きく変化させて活性を著しく低下させることがわかった。
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