研究課題/領域番号 |
16590021
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
北川 幸己 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (60093853)
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研究分担者 |
関川 由美 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (50329330)
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キーワード | 化学合成 / 固相ペプチド合成 / 硫酸化チロシン / タンパク質硫酸化 / α-コノトキシン / チオエステルセグメント縮合 / 質量分析 |
研究概要 |
1.Aspの側鎖カルボキシル基を活用した硫酸化α-コノトキシンの合成 Asp残基の側鎖カルボキシル基を活用してクロロトリチル樹脂に結合させたアミノ酸樹脂を調製し、α-コノトキシンEpIの合成に適用した。2種類の異なったCys保護基を用いることで、環化の順序を変えた2つの経路で2組のジスルフィド結合を形成させた。収率的にはどちらの経路もほぼ同じであった。次年度に、本合成法と樹脂上での硫酸化を組み合わせた方法を検討する予定である。現在、簡単なペンタペプチドを用いて樹脂上での硫酸化を検討しているが、完全に硫酸化が進行する反応条件の設定は未解決である。 2.質量分析によるペプチド・タンパク質中の硫酸化部位の同定に関する研究 キモトリプシンの基質特異性を利用したペプチド・タンパク質中の硫酸化修飾部位を同定する方法を検討している。モデルペプチドとして、Glycoprotein Ibα中の硫酸化チロシンクラスター(硫酸化チロシン3残基を含む22残基のペプチド)を私達の開発した簡便な硫酸化チロシン含有ペプチドの固相合成法で調製した。このものをHPLCで精製した後、酸で処理を行い、部分的に脱硫酸化したペプチドの混合物を得た。さらに、このペプチド混合物をHPLCで分取し、それぞれのペプチドについてキモトリプシン消化を行い、別途合成したペプチド標品を用いて酵素消化物を同定した。この手法を用いれば、酵素消化物の質量分析から、直接、硫酸化の位置に関する情報が得られると考えられ、現在データを集積中である。 3.硫酸化チロシン残基を含むチオエステルセグメントの合成 硫酸化チロシンを含むチオエステルセグメントの簡便な合成法を開発することは、大分子型の硫酸化ペプチドを化学的に調製する上で重要である。ケモカインレセプターのCCR5中の硫酸化チロシンクラスター(4残基の硫酸化チロシンを含む19残基のペプチド)をモデルにして、合成法の検討を行っている。
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