研究課題/領域番号 |
16590040
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 千葉科学大学 (2005) 北海道大学 (2004) |
研究代表者 |
大熊 康修 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (20127939)
|
研究分担者 |
OKUMA Yasunobu Chiba Institute of Science, Faculty of Pharmaceutical Sciences, Professor (20127939)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | 神経細胞死 / 小胞体ストレス / 自然免疫 / ケミカルシャペロン / 4-フェニル酪酸 |
研究概要 |
パーキンソン病、アルツハイマー病などの神経変性疾患においては、小胞体ストレスが重要な役割を演じていることが知られている。またアルツハイマー病脳では免疫系の亢進が認められている。そこで脳における炎症と小胞体ストレスとの関連について検討した。本研究において得られた知見を以下に示す。 1)ケミカルシャペロンとして知られている4-フェニル酪酸を投与した時の神経細胞死への作用を検討した結果、4-フェニル酪酸に神経細胞死保護作用が認められた。さらに4-フェニル酪酸の作用機序を明らかにする目的で、小胞体ストレス反応におけるGRP78誘導,転写因子CHOPの誘導、小胞体ストレスセンサーIRE1の下流で惹起されるXBP-1のスプライシング、eIF2αリン酸化に及ぼす4-フェニル酪酸の作用を検討した結果、4-フェニル酪酸はこれらの小胞体ストレス応答を軽減した。 2)4-フェニル酪酸のケミカルシャペロンとしての変性蛋白質の凝集抑制作用について、lactalbuminを用いた蛋白質凝集度の測定によりシャペロン活性を測定した。その結果、4-フェニル酪酸は蛋白質凝集を抑制する作用を有することを見出した。 3)また、アスピリンが小胞体由来の細胞死において保護作用を有していること。小胞体ストレスを惹起させる薬物により誘導される、小胞体ストレス応答をアスピリンが抑制すること。さらに、lactalbuminを用いた蛋白質凝集度の測定において、アスピリンはケミカルシャペロン活性を有することが示唆された。
|