研究課題/領域番号 |
16590041
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山國 徹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30333793)
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研究分担者 |
大泉 康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00006355)
齊藤 真也 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80271849)
中島 晶 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20419237)
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キーワード | V-1 / CapZ / レトロウイルスベクター / アクチンフィラメント形成 / 転写制御 / 神経機能制御 / 神経再生 / 脳機能再生 |
研究概要 |
神経伝達物質の分泌・遊離および神経突起の伸展・分岐のV-1/CapZを仲介する制御機構の解明PC12D細胞において、V-1がCapZのcytoplasmic anchoring proteinとして機能し、アクチンフィラメントの形成の促進を惹起すること、また対照的に細胞内cAMP濃度上昇によるPKAの活性化はCapZのV-1から解離および細胞骨格画分への稼行を誘導し、G-アクチンを増大させることを世界で初めて証明した。すなわち、新しいアクチンダイナミックス制御機構の解明に成功した(論文印刷中)。更に、V-1によるこのアクチンダイナミックス制御機構が神経伝達物質の分泌・遊離調節にも関与する証拠を得た(論文投稿中)。 運動失調を呈する中枢変性神経疾患マウスを評価系とするV-1/レトロウイルスの脳機能再生法開発への応用 独自開発したV-1レトロウイルスのneurosphereへの感染時期を変え検討したところ、効率良く脳神経幹細胞から神経細胞を誘導する条件を見出すことに成功した。また、薬物で黒質ドーパミン神経を破壊したパーキンソン病病態モデルマウス中脳黒質へのV-1レトロウイルスの導入実験を開始し、その条件を検討中である。 V-1/CapZシステムの病態生理学的役割 心肥大および肥満とV-1の関連性をV-1レトロウイルスを用いて検討し、培養系で脂肪細胞の前駆細胞から脂肪細胞の分化をV-1が抑制する活性を発見した。また、ヒト病理脳標本の神経細胞を抗V-1抗体で免疫染色することに成功した。 V-1トランスジェニックマウスにおけるV-1/CapZシステムおよび転写制御因子系の免疫組織化学的解析 中枢ノルアドレナリン神経系の細胞体および軸策におけるV-1の過剰発現を確認した。また、これらの神経細胞における形態学的変化へのアクチンダイナミックスの関与の可能性を解析中である。 CapZとV-1との相互作用を修飾するハーブエキスの作用メカニズムの詳細な解析 CapZとV-1との相互作用を修飾するハーブエキスがCRE依存的転写活性を促進させることを明らかにした(論文投稿中)。
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