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2004 年度 実績報告書

血清レクチンの認識するがん特異的新規糖鎖リガンドの構造と生物学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16590046
研究機関京都大学

研究代表者

川嵜 伸子  京都大学, 医学部, 教授 (70077676)

研究分担者 川嵜 敏祐  京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
キーワードマンナン結合タンパク質 / マンノース結合タンパク質 / 血清レクチン / ヒト結腸ガン細胞 / 抗腫瘍活性 / ポリラクトサミン糖鎖 / 糖鎖リガンド / ルイス型抗原
研究概要

血清マンナン結合タンパク質(MBP)はマンノース、N-アセチルグルコサミン、フコースに特異的なCa^<2+>依存性レクチンであり、がん細胞増殖抑制作用を有する。本研究は、MBPによる抗腫瘍活性の機構を解明するために、標的細胞表面上の、MBPによって特異的に認識される糖鎖リガンドの構造解析を目的としている。
1)ヒト結腸がん由来SW1116細胞の可溶化物より糖ペプチドを調製し、ヒドラジン分解後ピリジルアミノ(PA)誘導体とし、得られたPA化オリゴ糖鎖をMBPカラムにかけ、MBPリガンド糖鎖画分を単離した。この糖鎖画分について、完全メチル化体のMALDI-TOF MS分析を行ったところ、リニアモードで平均分子量が約6000という高マスレンジに分布し、マスピークはルイスa/x単位、またはフコース残基の分子量の差で分かれていた。
2)PAオリゴ糖鎖をイオン交換HPLCで中性糖鎖画分と酸性糖鎖画分に分離し、それぞれの完全メチル化体について、MALDI MS/MSおよびCID MS/MSにより糖鎖のシークエンスを分析した。その結果、中性糖鎖の非還元末端はルイスbまたはルイスaエピトープをもち、さらにその内側に最大4個のルイスaユニットの繰り返しが検出された。酸性糖鎖の非還元末端はシアリルルイスaであり、その内側は中性画分と同様の構造を持つことがわかった。
3)オリゴ糖鎖をエンドβガラクトシダーゼで消化後、C18カラムで、水溶出画分とアセトニトリル溶出画分に分け、MS、MS/MS分析にかけた。この結果、水画分にはインタクト糖鎖の非還元末端と同様の構造が検出され、アセトニトリル画分にはPA化トリマンノシルコア構造が検出された。また、コアは4本鎖またはバイセクティング3本鎖を持つマルチアンテナ糖鎖であることがわかった。
以上の結果より、MBPリガンドオリゴ糖鎖はこれまでに報告のない非常にユニークな、高度にフコシル化された長鎖のポリラクトサミン構造をもつことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Characterization of Oligosaccharide Ligands Expressed on SW1116 Cells Recognized by Mannan-binding Protein A HIGHLY FUCOSYLATED POLYLACTOSAMINE TYPE N-GLYCAN2005

    • 著者名/発表者名
      Motoki Terada
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 280・12

      ページ: 10897-10913

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] MBP-ligand Oligosaccharides Associated with an Anti-tumor Activity to Human Colon Cancer Cells2004

    • 著者名/発表者名
      Nobuko Kawasaki
    • 雑誌名

      Glycobiology 14・11

      ページ: 1106

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Superoxide production from human polymorphonuclear leukocytes by human mannan-binging protein(MBP)2004

    • 著者名/発表者名
      Kazuhide Uemura
    • 雑誌名

      Glycoconjugate Journal 21・1-2

      ページ: 79-84

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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